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Mercury's down / TOBY HITCHCOCK
火薬バカ一代 ★★★ (2011-12-13 23:00:51)
SURVIVORの正統後継者的なサウンドが持ち味のPRIDE OF LIONSに対し、ECLIPSEやW.E.T.といった自らのバンドのみならず、幾多のメロディアスHRプロジェクトにおいても優れた楽曲を提供してきたエリック・マーティンソンがブレイン役を務めているこのトビー・ヒッチコック初のソロ・アルバムは、よりハード且つ劇的な北欧メタル・テイストが支配的。
甘口になり過ぎぬようピリリとエッジの効いたGに、スケール感とダイナミズムを演出するリズム隊、それに爽やかな透明感を運んで来てくれるKey等の楽器陣の的確なサポートを得て、トビーさんが声域/声量/表現力と、この手のサウンドを歌うのに求められる力量をほぼパーフェクトに兼ね備えた「こんだけ歌えたらシンガー人生が楽しくて仕方なかろうなぁ」ってな自慢の喉を存分に披露しているのだから、これで素晴しい作品にならないわけがない。
劇的にして緊迫感溢れるOPナンバー①に始まり、圧巻の歌唱力が堪能できるバラード⑤を経て、ドラマティックに終幕を告げるアルバム表題曲⑫に至るまで、哀愁と爽快感、それにキャッチーなメロディが絶妙なバランスで交錯する楽曲がズラリ揃った本編に捨て曲は皆無。
今年リリースされたメロディアスHRアルバムの中でも屈指の完成度を誇る1枚のように思います。

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