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Splendid Rosa Birth ~華麗なるロサ、誕生~ / Schonberg
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-11-25 23:04:00)
2011年発表の1st。

以前リリースした二枚のシングル「ロサ・ギガンティア」「ロサ・クライシス」を聴いて、アルバム発表を楽しみにしてましたが…あの2枚を聴いてる人が聴いたら驚くんじゃないでしょうか。何もかもレベル上がり過ぎで…特にシングルで痩せたリフの音が前に出てたプロダクションは大幅に改善され、ネオクラ風のフレーズや絢爛なキーが前に出て、かつギターの音色の厚みも増した音像はシングルとは比べ物にならない説得力があると思う。

作風は…特に「クライシス」の方で顕著だったクラシカルでキャッチー、かつ耽美主義的なムードを、更に拡大させた感じでしょうか。歌謡的なメロスピをベースに、ネオクラやプログレの影響を受けた演奏に、オペラティックかつ陶酔的に歌い上げる女性ヴォーカルが乗って醸造される音は、シアトリカルで聴き手をバンドの持つ世界観に引き込むパワーに満ちている感じ。シングルよりも世界観が更に濃厚になってる。

ヴォーカルも押し引きを覚え、情熱を込めた歌い上げから妖艶な薄笑いを浮かべてそうな妖しい歌唱まで、表現の幅が格段に広がり、明らかにレベルアップしてると思う。何より素晴らしいのは、楽曲が非常に充実してるんですよね…。1曲目だけ名曲で、あとは地味…みたいなアルバムとは真逆の、どの曲をシングルにしてもいい全編キャッチーなメロディに満ちた作品。バンドも相当自信を持ってるんじゃないでしょうか。

世間ではクラシカル版の陰陽座、と言われてますが、確かに演出するものは違っても、どの曲もキャッチーな歌メロがあること、世界観の醸成に妥協がないことなど、共通するものはかなりあると思う。その手の女性ヴォーカルのジャパメタ、ゴシックなどが好きな方は是非。耽美系のV系バンド好きな方にもお勧め。

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