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Seasons in the Abyss / SLAYER
火薬バカ一代 ★★ (2009-02-12 19:15:00)
『REIGN IN BLOOD』のアグレッションと、『SOUTH OF HEAVEN』の重厚感を併せ持った作品として
高い評価を獲得し、'90年にリリースされるや過去最高の売り上げを記録、SLAYERのオーバーグラウンド浮上を
後押しした傑作5thアルバム・・・なんてこたぁ今更説明するまでもないですね。
触れれば切れそうな鋭利なGリフが、デイヴ・ロンバートの凄まじいドラミングに乗って激走する、SLAYER屈指の名曲①に
代表されるよう、アルバム全編に亘って殺傷力満点のGリフ、怒涛の如きリズム、ヒステリックなGソロ、そして、
比較的「歌っていた」前作から一転、激情を吐き出しまくるトム・アラヤのVoが荒れ狂い、曲間を開けずに殺気立った
楽曲群が波状攻撃を仕掛けて来る様は、まさにデイヴ在籍時代を総括するかの如きハイテンションなカッコ良さ。
スラッシュ・メタルならではの尖がった攻撃性を十分に保ちつつも、初期のマイナーな(病んだ)雰囲気は払拭され、
大物バンドとしての洗練と貫禄が感じられるサウンドは、良い意味でキャッチー。
と言っても、それは別にポップに日和ったなんて意味ではなく(どう聴いたって取っ付き易い音楽ではない)、
スラッシュ・メタル・バンドとしての基本ラインを損なうことなく、その一方で、より幅広いリスナー層に
アピールし得る作品を作り上げた(そして期待通り大ヒットさせた)SLAYERの曲作りの才には、ただただ感服するのみ。
ある意味、このバンドの入門編としては『REIGN IN BLOOD』以上に相応しい1枚と言えるかも。

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