この曲を聴け!
Panzer Metal / NEGATOR
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-08-27 19:17:25)
2010年発表の3rd。
ENDSTILLEやGRAUPELなど、ファスト系にも何気に良質のバンドを抱えているドイツですが、このバンドもそれらのバンドと似た路線のファストブラックですね。平坦気味のノイジーなリフと共に畳み掛けつつ、メロウなトレモロリフを仕込んでくるスタイルは、この手の王道にして覇道という感じ。単純に聴いてて気持ちいいし、かっこいいですもん。
ただ、このバンドは「ファストブラック好きが喜ぶツボ」を完璧に心得てる感じがします。基本ジャージャーした質感のリフでの無慈悲な疾走ですが、イントロの掴みの部分やサビにあたる部分など、「ここで来て欲しい」っていうところで、がっつりメロウなメロディを仕込んでくるんですよね…。寒々しさや邪悪さだけでなく、儚い美しさを醸しだすメロも時折混ぜてきますが、最早疾走の末昇天しそうなテンション。
特に彼らの「ファストブラックを作曲する」能力の高さが伺えるのが6曲目の「Misanthropic Manifest」で、4分に満たない中にメロウ極まりないトレモロリフ&トレモロリード、暴力的に過ぎる爆走、聴き手のテンションを煽るような高速スラッシュビート、神経を侵すようなミディアムパート…と、この手のブラックの美味しい所を惜しげもなく繰り出していく展開が素晴らしい。
また、DARK FUNERALのCaligula氏の後任を務めることになったNachtgarm氏のヴォーカルですが…ギャーギャー叫びまくりのスタイルでかなり強烈。Maniacのような粘着質さは薄く、真っ直ぐな感じの絶叫はこの手にありがちではありますが…噛み付かんばかりのテンションは尋常じゃないですね。もう聴いてるだけで顎が痛くなってきますもん(笑)。
そういう訳で、ENDSTIILEやGRAUPELなど、ドイツのファスト系が好きならば必聴…と言いたいところですが、個人的には曲の作りがキャッチー(と言ってもファストブラックの範囲内で、ですが)なので、実はこのバンドの作風の方が好みだったり。激烈な音に興味がある方は是非。
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