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Blunt Force Trauma / CAVALERA CONSPIRACY
火薬バカ一代 ★★★ (2011-05-07 23:09:02)
SEPULTURAやSOULFLYの新作以上に期待していた、マックス(Vo)&イゴール(Ds)のカヴァレラ・ブラザーズ・バンドの2ndアルバム。
スラッシュ・メタル・リバイバルが盛り上がる昨今、彼らもまた、その波に乗った内容の作品を提示してくるかと思いきや、既に確固たる個性を確立済みの人達の集まりゆえ、安易に時流におもねるような真似はせず、マックスの強靭で剣呑な咆哮と、イゴールが叩き出す重く骨太なリズムを中心に据えて激しく脈動する、デビュー作で披露した苛烈極まりないエクストリーム・メタル・スタイルには微塵の揺るぎもなし。
ただ一聴してハッキリと分かるように、前作以上にオールド・スクールな要素は増強されており、特に、硬質且つ破壊的なリフを刻む一方、リードからソロ・パートに至るまで、鮮烈にしてドラマティックなGプレイを狂い咲かせるマーク・リゾ(G)の存在は本編の肝。
前作を遥かに上回る、濃厚な正統派HMテイスト背負った彼の流麗な演奏をフィーチュアしつつ、尖がったアグレッションと緊迫感を撒き散らかしながら畳み掛ける楽曲の数々には、名盤『ARISE』や『BENEATH THE REMAINS』を発表した頃のSEPULTURAっぽさが確実に息衝いている。特に殺傷力抜群の②、AGNOSTIC FRONTのロジャー・ミレット(Vo)もゲスト参加している③、“THRASHER”なるタイトルからして直球勝負の⑤といった高速ナンバーのカッコ良さは出色。
スピーディでバイオレントなだけでなく、デビュー作以上にキャッチーで取っ付き易い作品。「昔はSEPULTURAが好きでした」と過去形で語るスラッシャーにもお薦めできる1枚。

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