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And Then You'll Beg / CRYPTOPSY
しッド・ツェッペリソ ★★ (2004-01-21 12:47:00)
CRYPTOPSY、純度100%な真のアグレッシヴ・ミュージック、ここにあり。
エクストリームロックの一般的な問題意識と言えば、充満する原初的な負のエネルギーをいかにストレートに音としてぶつけるか、というところにあると思うのだが、
彼らはそうした道とは微妙に異なる方向性を意識してとっていて、相互に異質な音像を激しく衝突させるところから来る極限の緊張感の追求をテーマにしているように感じる。
この方向性はDEATHや一時期のKING CRIMSONも持っていたように思うが、CRYPTOPSYはそれを垂直的(パート間の調和なき音の衝突・摩擦)にも水平的(目まぐるしさ極まる激しい曲展開)にも限界まで追求することによって、それこそ未曾有の音響世界をつくりだしている。
こうした志向を前作よりも一層明確な形で打ち出したのが、彼らの4thアルバムであるAND THEN YOU'LL BEGだ、というのが私の意見。
もちろん、私自身も愛してやまぬNONE SO VILEやWHISPER SUPREMACYにもその傾向は露出しているが、それらはグラインド・デス・メタルという枠組み(そんな枠なんてあるのか?)の中には一応収まっていた。しかしこのアルバムは曲の構成を一層複雑にし、やや音圧を落として各楽器の衝突具合を聞かせやすい形で録音することで、この枠組みからいよいよ一歩踏み出し始めた、という観がある。私はそういう方向は大歓迎なのだが、様式優先で音楽をとらえるむきには今後彼らは鬼っ子のような存在になるのかも。
→同意