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Peace Sells... But Who's Buying? / MEGADETH
火薬バカ一代 ★★ (2007-04-04 21:40:00)
デビュー作『KILLING IS MY BUSINESS...AND BUSINESS IS GOOD!』の成功を受け、インディのCOMBATから
メジャー・レーベルのCAPITOLへと移籍して、'86年に発表された2ndアルバム。
異様なまでのテンションの高さや、触れれば切れそうな尖がり具合は相変わらずなれど、
上昇気流に乗った精神的余裕からか、追い詰められた野生動物の如き殺気立った雰囲気が薄れ、
シンプルながら印象に残るリフ&メロディが次々に繰り出される名曲③に代表されるように、
その作風は良い意味でキャッチー。全体的に結構聴き易くなった感じを受ける。
これは、サウンド・プロダクションの飛躍的な向上や、更にメロディアスなフレーズを奏でるようになったツインG、
そして、ぎこちなさや強引さが後退し、より練り込まれて流麗さを増した曲展開に拠るところが大で、
アルバム後半に並ぶ、劇的な盛り上がりを聴かせる二部構成の組曲⑤、後半へ進むに連れて
加速度的にスピードを上げていく⑥、叙情的なイントロからデイヴィッド・エレフソンのリードBに導かれて疾走する
ラスト・ナンバー⑨といった楽曲に至っては、「ドラマチック」という形容詞しか思いつかないほど。
尤も、聴き易くなったとは言ってもそれは飽くまで前作と比較しての話で、カミソリの如き
殺傷力を伴ったリフや疾走感、先読みできない曲展開の複雑さも、相変わらず他の追随を許さない凶暴さ。
特に、「これぞインテレクチュアル・スラッシュ!」と唸らされる、頭3曲の猛烈な畳み掛けは
グゥの音も出ないぐらい圧巻。本作もまた、捨て曲なしの名盤だ。
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