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The Voice of Steel / NOKTURNAL MORTUM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-03-26 23:42:00)
2009年発表の5th。
「NeChrist」等同様、タイトルがウクライナ語なので、探す時に分かりづらいですが…大魔神が剣をハンマーで打ってる、仰々しいジャケットが目印です(笑)。

…これまでの彼らの作風を追っていくと、1st(及びLunar Poetryデモ)では敢えてギターを引っ込め、ツインキーボードによる華麗な民族メロを前に出し独自の作風を確立、2ndでは煌びやかさを保ちつつ暴虐性を上げる事でシンフォブラックの名盤を作り上げ、3rdでは民族音楽要素とRAWブラック要素の対比を極端にする事で更にカルトな作風になり、4thでは音質が改善され、聴きやすくなると共にミディアム中心の展開になり、より情景の描写に重きを置いた音楽性へ…と、「民族要素」は一貫しながらも、かなり激しく音楽性を変化させていましたが…。

今作は、今までの作風を統括すると共に、大分メジャー感を増したアルバムだと思います。前作の民族メロを多用しての情景描写、音質のまともさはそのままに、以前のような疾走を交えた展開も上手く取り入れることで、よりドラマティックに仕上がった感じ。初期作のようにキーボードに全てを任せず、印象に残るリフやギターソロなどもあり、ペイガンブラックとしての雰囲気はしっかり保ちつつ、より広いメタラー層にアピール出来るようになったと思います。

ただし、いくら「メタルとして」質が高くなろうとも、「ペイガン思想を伝える、音楽を通じて映像的に見せつける」力には、些かの衰えもありません。…この両立を、ごく自然体でやってるように感じられるから、このバンドは恐ろしいんですよね…。NOKTURNAL MORTUM自身はもとより、ペイガン系入門としてもお勧め。EQUILIBRIUMやTURISASを好んで聴いてる人も、試しに聴いてみてはどうでしょう。

でも、某雑誌で「屁のような音」と酷い評価を下されたイントロの民族楽器、3rdでも4thでも使ってましたが…これから恒例にするつもりなんでしょうか(笑)。ちなみに、曲名もウクライナ語ですが、英訳を見つけたので以下に記しておきます。

1.Intro
2.Voice of Steel
3.Valkyrie
4.Ukraine
5.My Dream Inside
6.By Path of the Sun
7.Sky of Saddened Nights
8.White Tower

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