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Night of Stormcrow / CREBAIN
Usher-to-the-ETHER ★★ (2010-03-14 18:05:00)
2003年発表の7曲入りデモのCD化。2007年リリース。CD化にあたって、前身バンド(?)のGauderon Dhergの全曲(3曲)を収録。

あのLEVIATHANと関連があるくらいだし…と期待して買ったんですが、これは想像以上に素晴らしいプリミティブ・ブラックですよ。グロテスク・アヴァンギャルドな志向を最近強めてきているLEVIATHANやXASTHURに比べると、こっちは純粋なプリミティブブラックと言う感じ。

ドラムは打ち込みらしく、やや金属的な響きが強いですが…黒い吹雪を思わせる音色のリフと相性の良い音で、全くマイナスになっていないのが良いですね。ただ、ヴォーカルはエフェクト掛けすぎで、凶悪化というより記号化してしまっているきらいも。この辺りをFUNERAL MIST並に拘ってくれたら、更にカルトになったかもしれないのに、ちょっと惜しい感じがします。

…このバンド、何気にメロディのセンスが良い…というか、メロディによる表現の幅が広く、かつ質が高いですよね。例えば1曲目は北欧勢のブリザードリフに通じる冷たさがあると思うし、6曲目の展開に合わせたドラマ性のあるメロディも素晴らしい。4曲目に至っては、ブラックメタル特有の、得体の知れなさから生じる恐ろしさと、メロウさからくる取っ付きやすさを兼ね備えた名曲であると思う。ただ、アルバムの頭の方はそこまでメロディアスな感じではないので、メロディ派の人は最初の方だけ聞いて「合わない」とか思わないように。

ちなみに、原盤は66枚限定で、血によるナンバーが入っていたとか…。流石にそこまでカルトなものを家に置いておくのは、ちょっと恐い気もします(笑)。また、Gauderon Dhergの音源は、作風こそそう変わらないものの、ヴォーカルは無し。インストになっても、やっぱり「By Our Talons Heaven Shall Fall」(本編4曲目)は超名曲。

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