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Măiastru sfetnic / NEGURA BUNGET
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2009-07-26 09:07:00)
2000年発表の2nd。

2008年にLupus Loungeより再発されたものが、結構プッシュされてたみたいですが…確かにこれは凄いです。一応プログレッシブ・ブラックに分類されるようですが、プログレというか狂気の沙汰としか言えないような音楽性ですよ、これ…。

魔性・神秘性などにおいてLUNAR AURORAとタメを張れる存在ではないでしょうか。このバンド、例えばトレモロリフ一つ取っても、「メロディを前に出してフォークメタル的な叙情味を与える」「枯れたように加工し不気味さを与える」「キーボードの中で蠢くような音色で恐怖感・幽玄さを与える」など多彩に使われていて、リフやキー、リズムのバリエーションが豊富なんですよね。しかもその多彩さが、ただひたすら幽玄で神秘的な、魔性の世界を描く方向に作用している感じ。

基本的な音からしてブラックらしいムード重視のノイジーな音質に、厚みのあるキーボードが影を落とすような奥行きのあるものだし、ブラスト入れるにしても疾走感ではなく崩壊感を演出してる感じだしで、前述の要素とも相まってかなり個性的な作品に仕上がってます。バンド名はルーマニア語で「暗く霧に覆われた森」らしいですが、確かにLUNAR AURORAの神秘性と初期ULVERの森に迷い込んだような幻想性を足したような印象があります。ただし、このバンドの描く森は、ULVERのそれよりも数段悪意に満ちている感じがします。

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