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Djinn / MELECHESH
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2009-01-28 23:39:00)
2001年発表の2nd。
…デス/ブラックには中近東をモチーフにするバンドが少なくないですが、これは「エキゾチックな雰囲気を演出する」ことや「中近東的なメロディをデス/ブラックに取り入れる」ことに関しては、最も徹底した作品なんじゃないかと思います。
殆どのパートで、リフなりリードなりに中近東っぽさを感じられます。
それだけメロで雰囲気出してるパートが多いという事でもあるので、メロデス・メロブラ好きにも受けそう。ただ、アコギやパーカッションを取り入れても素晴らしい物を作れる事をイントロで証明しておきながら、本編ではそれらの出番がそれほど多くないのは少しもったいない気も。
まあ、リードギターやリフなど、メタルの音を主に使ってエキゾチズムを体現するのがこのバンドの個性といえるのかもしれませんが。
ちなみに、今は脱退してしまったようですが、この作品でドラムを叩くのはABSUでスラッシュ寄りのテクニカルなブラック、ソロ名義で多方向に拡散したサイケアンビエントも演ってるProscriptor氏。彼もほんと色々演りますね…。
ABSUみたいにポコポコした独特の音ではないですが、やっぱり彼のドラムは良いですね。特にパーカッシブなパートでのドラミングがツボ。中心人物AshmediのダーティながなりVoも、そういえばABSUっぽいかも。ハイトーンは勘弁してほしいですが…。
ブルータルなメタルとしてはNILEやBEHEMOTHの方が上だと思うんですが、エキゾチックさではこちらの方が上かと。デス・メロデス・メロブラ好き以外にも、好きな民謡メロの範疇の中に「中近東系」も入るフォークメタラー、中近東的メロのインパクトにクサさを感じるクサメタラーなど、広くお勧めしたいアルバム。Voの微妙な普通声やラストが無音→イマイチなエンディングという構成など、多少B級っぽさもありますがそれを差し引いても本当に素晴らしい作品。最初の一音から聴き手を引き込んでいくパワーに満ちた名盤だと思います。
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