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Wake the Sleeper / URIAH HEEP
杉本 剛 ★★ (2008-06-30 01:13:00)
長年ドラマーの座に君臨してきたリー・カースレイクが、健康上の理由から脱退せざるを得なくなったのが2007年1月。後任のドラマーはブラック・サバスのトニー・アイオミや、ヴァン・モリソン等との活動経歴を持つラッセル・ギルブルック。加入直後にはレコーディングに入ったものの当初の予定より大幅に遅れ、2008年6月ようやくリリースとなった。アルバムはオープニングからハイ・テンポなタイトル・チューンで幕を開けるが、いきなり彼のテクニックに驚かされる。フィル・ランゾンとバーニー・ショウが加入以降、バンドの安定したテクニックには既に定評があったが、更にパワー・アップした印象だ。おそらくツイン・ペダルを駆使しているであろうベース・ドラム・ワークは素晴らしく、スプラッシュやチャイナを多用するシンバル・ワークは、音色へのこだわりも感じさせる。また、細かいハイ・ハット・ワークもセンスがあり、トレヴァー・ボルダーとの新しいリズム・セクションは非常に強力になっている。一方ミック・ボックスのギターは益々磨きがかかり、彼と共に作曲面でも貢献しているフィル・ランゾンのキーボード・プレーも実に多彩だ。またバーニー・ショウのハイ・トーン・ヴォーカルも健在。アルバム全体的にコーラスが往年を思わせる程復活した感がある。どちらかと言えば短めの曲が多い中にも構成に凝った曲が多く、やはりプログレッシヴな一面も垣間見ることが出来、ハード&へヴィーだけではないバランスの良さが特徴となっている。10年振りのスタジオ・アルバムとしてファンの期待を裏切らない素晴らしい出来であると共に、若いロック・ファンにも是非聴いてもらいたいクオリティーの高い作品だ。結成38年の超ベテラン・バンドは、更に前進し続けている!
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