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Till Death Do Us Part / DEICIDE
火薬バカ一代 ★★ (2008-06-10 23:32:00)
グレン・ベントンが裁判沙汰に巻き込まれ、活動休止を余儀なくされたDEICIDEが、最後っ屁として制作した、'08年発表の9thアルバム。
従来の暴虐なブルデス・サウンドに、ラルフ・サントーラとジャック・オーウェンズによる、華麗且つメロディックな
ツインGを組み込み、新たなDEICIDE流デス・メタルを作り出すことに成功した傑作『THE STENCH OF REDEMPTION』に比べると、
バンドの活動休止や、それに伴うラルフの脱退といったネガティブな要因が影響したのか、今回は、楽曲、演奏、
サウンド・プロダクションと、全体的にテンション・ダウン。相変わらずの禍々しさを誇りつつも、
いまいちハジけきらない、グレンのVoのテンションの低さも気になるところだ。
とは言え、『THE STENCH~』が素晴し過ぎたゆえにそう感じてしまうのであって、純粋に単品として評価した場合、
本作の完成度の高さは相変わらず群を抜いている。作風的には、メロディへの拘りがやや後退し、7thアルバム以前の
ストロング・スタイルに揺り戻されている感が無きにしも非ずなれど、それでも十分にメロディックなテイストは
残っていて、特に、ラルフの流麗且つ華麗なGソロの素晴しさは、相変わらず筆舌尽くし難い。
弾きまくりのGインスト曲①から繋がっていく、禍々しくダイナミックな②、不吉な雰囲気を撒き散らす⑤といった楽曲で
聴かれるGプレイも素晴しいが、白眉は④。怒涛の如く突進するリズムの上を、ドラマティックに舞う
ラルフとジャックのツインGは、涙モノのクオリティの高さを誇る。
また、今回、身動きの取れなかったグレンに代わって八面六臂の活躍をみせた、スティーブ・アシェイムの踏ん張りにも、
心からの賞賛を贈りたい。勿論、非人間的なビートを機関銃の如く叩き出す、ド迫力のドラミングも相変わらず最高DEATH。
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