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Zyklus / LUNAR AURORA
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-02-26 18:38:00)
2004年発表の6thアルバム。
4曲で46分の大作主義な作品で、曲のタイトルが「朝」「昼」「夕」「夜」となっていることから、なんらかのコンセプトのある作品なのかもしれません。

聴いてまず驚かされるのはその荒いプロダクション。
吹雪を思わせる…どころか、まるで土石流を浴びるかのような凄まじいノイジーさで、ディストーションの音色は砂利を袋に詰めて一気にひっくり返したかのよう。ノイズの嵐がリズムもメロディも飲み込んでしまうかのような音で、正直これを大音量でヘッドフォンやイヤフォンで聴くのはキツいと思わせるほど。私的にはスピーカーで聴くと丁度良い感じ。

ただ、音質は極悪なだけでなく広がりをも感じさせるのが真に凄い所なのかもしれません。メロディも暗い&寒々しいので、例えるならスローパートはXasthurを極端にした感じで、ファストパートは2ndの頃のDISSECTIONを超辛口にしたら近そうな感じがします。

そこに華を添えるのが、時にうっすらと、時に前に出てくるキーボードの存在。
メロディがかなり神秘的で、前に出てくる頻度はそう多くないものの、アルバムの雰囲気作りにおいて重要な役割を果たしてますね。ヴォーカルも基本的にがなり声ですが、時折見せる呟くような声が印象的で、これも雰囲気作りに貢献しているように思います。

かなりプロダクションが極悪なので、少し勧めにくいアルバムですが、その極悪さとキーボードの醸し出す神秘性の作り出すサウンドに興味がある方にはお勧めです。

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