この曲を聴け! 

MoRT / BLUT AUS NORD
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2006-10-19 08:30:00)
2006年発表の5th。
いきなりですが、これは凄まじい作品だと思います。

このバンドの作品は、今までに3rdと05年発表のミニを聴いてましたが、化けましたね…。路線としては前作ミニの暗黒アンビエントみたいな音楽とブラックメタルの折衷というか、前作ミニの2曲目でも聴かれた、怨霊の呻き声チックなギターの音をフィーチャーした基本スロー~ミディアムで進行していくブラックメタルという感じです。…最も、これをブラックの範疇に入れていいのかちょっと疑問の残る音楽性ではありますが。

今作で素晴らしいのは前述したようにギターの音。
音響的にかなり加工された音で、ちょっとサックスのような管楽器みたいな音色に聴こえる事もあったり。よくクラシックとかで「死」を表現するのにブラスを使ってダークなイメージを喚起させたりしますが、個人的にはそれに近い表現方法だと思いました。前作の2曲目よりもその音色がふんだんに使われていて、曲中ひっきりなしに鳴り響いていてかなり鬱な雰囲気。低音のディストーションもちゃんと効いてますが、そっちも普通のバンドと比べると不気味な音。

ヴォーカルも入ってますが、音の奥でうめいている感じであまり前には出てきません。やはり音全体で鬱だったり恐怖感だったりを表現する作風だと思います。個人的には、鬱度だったらBURZUMやXASTHURをも凌ぐ作品だと思います。CDをセットして流れてきた音に軽く感動してしまいましたもん(笑)

こんな作品に出会えたことが嬉しくて、スピーカーからは疫病のような不幸をそのまま形にしたかのような音が流れているのに、ちょっと嬉しい気分になってました(笑)。ともかく鬱ブラックで実験的な作風が好きならばこれは絶対に買った方がいいです。お勧め!

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