この曲を聴け! 

666 International / DODHEIMSGARD
Usher-to-the-ETHER ★★ (2006-07-15 22:58:00)
このバンド、昔は真っ当なブラックをやってたらしいですが…ここで聞けるのは、アヴァンギャルド方向に行き過ぎたサイバーブラックって感じの曲。これに比べればABORYM、ましてやZYKLONなんて全然まともです(笑)。

一応人間の速さの感覚の限界に挑戦するくらいの速いリズム(←ごく一部だけど)、ノイジーだったりヘヴィだったりするリフ、アトモスフェリックなキーボードなどブラックメタルの要素がそこかしこに取り入れられてはいるんですが、リズムはなんかダンスミュージックとかブラックどころかメタルとすら関係無いところから持ってきたような印象ですし、上記のブラックの要素も一旦破壊して再構築してから曲に取り入れたような感じで、最早「一筋縄ではいかない」どころではありません。曲中や曲間で挿入される綺麗なピアノのフレーズも、単純に美しいと言うより、このサウンドの中ではやけに不思議なものに聴こえます。

アヴァンギャルドメタルが好きな人には勿論お勧め出来る音楽性だと思いますが、「ION STORM」「SONAR BLISS」辺りは普通にエクストリームな音楽好きなら気に入るくらいかっこよく、完成度も高いのでその辺りを聴いて慣らしてから本編を聴くのもいいかも。あの1曲目は、結構「…?」と思う人が多そうな気がします(笑)。

ただ、こういう音楽を求めて聴いたにも関わらず、mokusatuさんのレビューを読んで聴きなおすまで、あまり良いと感じなかったんですよね…。その理由がヴォーカル。AldrahnとApollyonという、ブラックではかなり有名な人がしているのに、何故かここで聴けるのは間延びしたような緊張感の無い、がなりと喋りの中間のような声…。ApollyonはCADAVAR INCで聴いた時はその狂犬じみた声に強く惹かれたのですが…。これも「ブラックメタルの様式の破壊」の一環かもしれませんが、個人的には無理…。正直、音の構成の面白さに魅了されつつある今ですら、ヴォーカルの声を聴くのが辛くて曲の再生を途中で止めてしまうことがしばしば。

…でも、ある意味ではそれだけ不快感を与えられる優れた声って事なのかなぁ…。

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