この曲を聴け! 

666 International / DODHEIMSGARD
mokusatu ★★ (2006-06-01 02:01:00)
99年発表の、タイトルが素晴らし過ぎる3rd。一応断っておくと、私はこのアルバムしか聴いた事がない。
ZYKLON の1st、LIMBONIC ART、ANAAL NATHRAKH等、デジタル/インダルトリアル要素を取り込んだ「サイバー・ブラック・メタル」はそこそこあると思うが、このアルバムはそれらと一緒にすると痛い目に遭う。最早「サイバー」などという形容詞を付ければ安心出来る音楽ではない。個人的な事を言わせてもらえば、CDを聴いている間中「何をもってブラック・メタルとするのか」という命題が終始頭から離れなかった。
私が三日三晩、暇があればこのアルバムに付き合って、ついに親近感が持てたきっかけは、意外にもラスト・トラック「COMPLETION」だった。何故意外かと言うと、ピアノ・インストを除けば、この曲がアルバム中で最もブラック・メタルらしくないからだ。完全に、ブラック・メタル風「アヴァンギャルド・インダストリアル・ミュージック」になっていて、これはつまり、インダストリアル・バンドがブラック・メタルのリミックスをしたら原型留めないほどぶっ壊れた、みたいな曲だと気付いた。
そう、そういう音楽性のアルバムなんですよ。
だから、このアルバムのカテゴライズは一筋縄ではいかないっていうか無理なんですが、逆に「そういうもの」として捉えると、こんなに面白いブラック・メタルはない。あらゆる要素があらゆる方向に全力で崩壊してます。が、ピアノ・インストはショパンみたいという意味不明さ。
私はこのアルバムを「ブラック・メタル」の中に入れなければならないと思うんですよ。こういったアヴァンギャルドな方向も余裕で包含出来るほど、ブラック・メタルという世界は広がりがあるのだと思いたいので(7年前のアルバムにこんな事言っても遅いけど)。
ブラック・メタルの可能性の極北を見てみたい方は是非購入して頂きたいと思うし、そういう人が多くいて欲しいと思う。
メンバーは、Aldrahn(Vo)、Mr.Fixit(Victonik。多分Gとか)、Apollyon(多分Bとか)、Czral(Carl- Michael。多分Drとか)、Magic Logic(Svein。多分デジタル関係とKey)ということで、当時のノルウェー・ブラック界における守護神揃い踏み。

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