この曲を聴け!
Mindcrimes / LYZANXIA
メタラァ ★★ (2005-08-01 10:42:00)
B!誌で「こういうバンドが当たり前に売れて欲しいよ」と高評価を獲得した本作。
このバンドはフランス出身で、ヴォーカルとギターを兼任するメンバーが2人いる4人編成。そして"その2人"は兄弟。
このバンド、やってる音楽を簡潔に書くと"メロディック・デス"に分類されるのかも知れないけど、いや、実はこのバンドがやっているのはその言葉では表しきれないものなのですわ。
まず、ツイン・ヴォーカルであることを活かしたヴォーカル・パートが良い。メロディック"風"に歌う箇所ではデイヴ・ムステインっぽい声、そしてもう片方がデス声、と大まかに役割が分けられている。(でも、2人ともデス声と普通声を使い分けているようにも聴こえる。クレジットがないからわからん!!)
音楽・曲そのものに関しても、ARCH ENEMYにMEGADETHのリフの複雑さを少々盛り込み、そこに機械的な冷たさを注入した感じ……、俺にはそういう印象でした。メロディアスなパートもあれど、メロディアス過ぎないところがグーなのよ、グー。
見事に練られたリフ・ワークとここぞ!というときに挿入されるギター・ソロ。それぞれがなんらかのヒネリを加えてあって、その"一筋縄では行かない感"が良いんだよなぁ。勿論曲の展開も大したもの!緩急のついた展開はなかなかゾクゾクさせられますね!
そのリフ・リード・展開を自在に操るこの兄弟のギター・テクニックもかなりのもの。
フレドリック・ノルドストロームのプロデュースによって、サウンド・プロダクションも一級品に仕上がってます。
ちょっと気になったのが、ハイライトとなるべき曲が見つからなかったこと。無論、どの曲もレベルが高く聴いていてカッコ良いんだけど、「この曲を聴きたいから、このアルバムを聴きたい!!」と思わせる"代表曲"が欠如してる感じが…。ま、どの曲も、ホントに☆2つはあげたくなっちゃうような出来なんでこういうことを言うのは可哀想なんだけど…。(苦笑)
ともあれ、先のB!誌の評価も納得の出来です。こういう『ちょっと違うバンド』にはもっと注目が集まって欲しいものです。
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