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My Arms, Your Hearse / OPETH
mokusatu ★★ (2006-07-29 17:07:00)
前作までは現世の悲しみを引き摺っている亡霊のようなサウンドだったが、アルバム2枚作ってるうちに輪廻転生したらしい・・・で、あろうことか、転生先が鬼のように屈強なモンスターだった、みたいな強い音になっている。一言で言えばヘヴィ・メタルになった98年発表の3rd。リズム隊もここで固まったようだ。
獰猛なデス・メタル・パートがヘヴィ・メタルよりカオティックに渦巻きながら、叙情性は相変わらず幽玄な儚さを描くという、美醜対比を極めんとするドラマティック・デス/ゴシックである。とにかくデス・メタル以外何物でもない荒々しい迫力はとても同じバンドと思えない。楽曲の指向が変わった事もあるが、さすがFredrik Nordstrom、スウェディッシュ・デスの表番長の貫禄であろうか。
10分超えは1曲もなし、驚愕の6分台の曲の出現はアングラマニア的落胆があるが、普通に考えればこれで正解です。
EMPERORにおけるテクニカル・メタルへのこだわりを叙情プログレへのこだわりにすりかえると、案外こんな感じにならんかな?
個人的な事を言わせてもらうと、発売当時から今まで、前作のような「メロディックであればある程良い」とする美学が消え失せたこのアルバムは大いなる失望をもたらした人生最大級かつ完全無欠の大駄作で記憶から消えていたんだが、久々に聴き返してまず浮かんだ言葉は「なんて格好良いんだろう」。
未だCDラックにあった事自体奇跡ですけど・・・よっぽど俺は2ndの可能性を捨て切れなかったらしい(今日捨てました)。
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