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RAZORBACK / I.N.C.
火薬バカ一代 ★★ (2007-11-08 21:35:00)
アメリカはコネチカット州出身で、BがVoも兼任するツインG編成の4人組スラッシュ・メタル・バンド、
I.N.C.ことINDESTRUCTION NOISE COMMANDが、'88年に発表した1stアルバム。
いきなり8分以上もある①(バンド名を冠したテーマ曲でもある)で幕を開けるという、デビュー作にしては
かなり大胆な構成を取ってる本作。①以降も5~8分台の楽曲が並び、全8曲でトータル・ランニング・タイムが50分を
超える大作主義に、このバンドの旺盛なチャレンジ精神が伺える・・・というよりも、単にMETALLICAの名作
『MASTER OF PUPPETS』に影響を受けただけなんだろうなぁ、多分。
とは言え、『MASTER~』に比べると、欧州風味の流麗なメロディや、様式的な構築美といった要素はそれ程でもなく、
むしろ、暗さや湿り気を排した音作りや、スピーディな疾走パートを基本としつつ、快活に刻まれるカリカリのGリフ、
ドラマ性よりも「ノリの良さ」や「勢い」が先立つカラッとした曲展開は、どこかベイエリア・スラッシュを思わせる。
Bが兼任するVoの音程がフラット気味なため、テンションが上がり切らない点がもどかしいが、そのVoが歌う歌メロは
結構キャッチーだし、メロディアス且つスリリングに切り込んで来るツインG、景気良く弾けるB、起伏に富んだ曲展開といった、
このバンドの持ち味が存分に活かされた①③⑤は聴き応え十分。(特にアルバム・タイトル・トラックの⑤は名曲)
また、技巧を凝らした長尺曲を揃える一方で、⑧のようなストレートに疾走する高速スラッシュ・ナンバーで
ラストを締める構成も○。これで曲の出来/不出来の差がもう少し少なければ文句なしの名盤だったのだけど・・・。
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