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Made in Heaven (失恋船長)
Takin' the City / Made in Heaven (火薬バカ一代)
On the Run / Made in Heaven (火薬バカ一代)
Made in Heaven (火薬バカ一代)


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Made in Heaven

2021年に『Made In Heaven... Not Dead Yet』というタイトルで再発盤が出た幻の一枚。ライブ音源+前身となるSIN時代のシングル2曲を追加、ある意味バンドの代表曲とも言える『On the Run』のオリジナルヴァージョンが聴けるわけです。
そういうレア度もあがり作品としても価値も上昇。オリジナル盤を見たことがないので分からないのだが、こちらで自動登録されているモノと曲順も違いますので下記にて記入いたします。
1-All My Love
2-Heat Of The Night
3-Traitor
4-Love Can't Wait
5-Nothing At All
6-On The Run
7-Made In Heaven
8-Takin' The City
9-Black Cat
10-Calling You
11-On The Run
12-Captured In Time
13-Rockin' All Night
14-Magic Is Done
15-Not Dead Yet

メイドインヘブンなんて脳天気なアルバムタイトルですが、音楽性の方が緊張感が漂いキーボードを巧みに使いつつもハードテイストも損なわないアレンジで魅了。情緒のあるメロディック路線は、日本人の感性にもビンビンに響くでしょうね。
唄も力負けしない確かな実力で楽曲の魅力を押し上げ、叙情派アメリカンハードサウンドとして多くのマニアの耳を捉えますよね。
1985年という時代、まもなく勃発するメタルバブル、この時代にも既に予兆はあったが、あの時代に毒されすぎたメジャーシーンが好きな人には、少々戸惑いも多いでしょう。KEELも軟弱になったし、WASPもLIZZY BORDENもメジャー仕様だよ。RATTだってキレのあるスピードナンバー捨てたからね、そんな浮かれまくるメジャーシーン。そういう過度の大衆化を図らなくとも、このようなメジャー感をハードな魅力を損なわないバンドがいたことを知って欲しいですね。

とくに80年代のメジャーシーンを小馬鹿にする若者にこそ知って欲しい。Too muchな80年代中から後期に掛けてのバブルメタル、その中にも確かなバンドはいたが、みな様式を変えられた。このバンドもメインストリーム寄りである。でもアーティストとしての矜恃も同時に感じられ、売れ線志向とは別のベクトルを放っている。
欧州ほど泣かないメロディアスハードサウンド、その絶妙なバランス感覚を楽しんで貰いたい。硬軟交えたシリアルな作風は、懐かしいだけでは無い新たなる発見にも出会えるはずである。全てにおいて、知名度や批評家のレビューで評価が決まる時代。飯食うのも点数だ、そんな時代だからこそ知って欲しい一枚ですね。

失恋船長 ★★★ (2022-10-29 13:13:55)


Takin' the City / Made in Heaven

鋭角的に刻まれるGリフ、単なる彩りの域を超えてGとバトルを
繰り広げるKey、Voがアグレッシブに歌う憂いを帯びたメロディといい
名曲と名高い“ON THE RUN”にも匹敵するカッコ良さを誇る疾走ナンバー。
むしろこっちの方が良いという人がいても不思議じゃないぐらいですよ。

火薬バカ一代 ★★★ (2022-03-23 00:10:03)


On the Run / Made in Heaven
歯切れ良く刻まれるリフ&リズムに乗せて、憂いを帯びたメロディが
駆け抜ける様は、この曲が「LAメタルの隠れた名曲」扱いされているのも
納得のカッコ良さ。オルガンをフィーチュアしてより欧州HMからの
影響が色濃く薫るSINバージョンも乙な味わいなので、
聴き比べてみるのも一興かと。

火薬バカ一代 ★★★ (2022-03-23 00:05:44)


Made in Heaven

W.A.S.P.やSTEELER、更にはWARLORD、HELLIONといったバンドを渡り歩いた、LAメタル・シーンの旅ガラス(?)リック・フォックスにより結成されたSINでしたが、バンド運営を巡る対立が火種となってクーデターが発生。リーダーのリックを放逐して主導権を奪取したその他のメンバーが、バンド名をJAG WIREと改めて'86年に発表した1stアルバムがこちらとなります。尤も、名実ともにバンドの支柱だったリックを欠いた活動は長続きせず、これが最初で最後の作品になってしまったわけですが…。
そうしたゴタゴタの末に生み落とされた本作なれど、内容はメチャ強力。歯切れ良く刻まれるGリフ、躍動感溢れるリズム、フラッシーなGプレイに、コーラスが厚く盛られたサビメロではVoが曲名をシャウトする等、サウンドは典型的な初期型LAメタル・スタイルを標榜しつつも、本編に「レッツ・パーティ!」的な能天気さは薄め。むしろKeyをアクセントに用い、程好く翳りを帯びたメロディが散りばめられた楽曲は欧州HM勢からの影響を伺わせる場面もしばしばで、その筆頭がSIN時代にもシングルとして発表されている、LAメタルの隠れた名曲と評判の疾走ナンバー“ON THE RUN”ではないかと。この必殺の名曲を皮切りに、泣きを湛えたドラマティックなバラード“MADE IN HEAVEN”、KeyとGが火花を散らしながらスリリングに駆け抜ける“TAKEIN’ THE CITY”といった逸品が次々に畳み掛けてくるアルバム後半のカッコ良さは只事じゃありませんよ。(ちなみにオリジナル盤と再発盤とでは曲順が異なっている)
「幻の名盤」扱いが決して過大評価ではなかったと心底納得できる1枚。再発に感謝です。

火薬バカ一代 ★★★ (2022-03-22 00:57:11)