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EARLY RITUALS (2020年)
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EARLY RITUALS
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解説 - EARLY RITUALS
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1. 失恋船長 ★★★ (2022-02-12 17:38:22)

憂いのある沸騰型NWOBHMサウンドが売りのバンドだったSATAN。今作は、いずれもデモ音源をまとめて製品化したモノ。①から④が幻のファーストデモ、⑤から⑩が1stのデモ、ラスト4曲がEP『Into the Future』の叩き台となるDirt Demo '86でデモというマニア泣かせのコンピ作。個人的にはシンガーにロブ・ハルフォードタイプのトレバー・ロビンソンがいた時代のファーストデモに興味が注がれます。
ハッキリとスラッシュ勢に影響を与えたトレバーの歌い回し、これを聴けばデイブ・ムステインやジェームス・ヘッドフィールドを思い出しますよね、さらにはキレのあるスピーディーな楽曲群の魅力たるや、妖しげでキレのあるリフワークは鋭い刃を立て聴き手の感性に切れ込み理性を支配、ミステリアスなムード満点の英国サウンドが鈍色の光を放ち魔界へ誘います。
このデモ音源集は、NWOBHMの歴史としても、スラッシュメタルに与えた影響としても見落とされているというのか、軽視されているSATANの重要性を説いていますね。
勿論荒々しい1stのデモも魅力的だし、マイケル・ジャクソン時代も、こういう形でも良いので取り上げて欲しいと思います。メイデンが余に残したThe Soundhouse Tapesも強力だが、そのメイデンの遺伝子を組み込んだファーストデモも同様に、NWOBHMのアイコンになるインパクトの強い楽曲を聴けるのが嬉しい。
継続した活動ができずNWOBHMの波を活用できず、80年代中期に沈んだバンド。それだけに雑誌のフォローも受けられず、残念ながら日本ではイマイチ知名度が上がりきらない彼らですが、若い人にこそ聴いて欲しいリアルNWOBHMサウンドを余に提示したバンドのデモ集。
英国的な湿り気たっぷりのサウンドは、どこか煮え切りません。そのモヤとした音質の向こうから妖しげに響くサタニカルな味わい、それはおどろおどろしいだけではないロックなダイナミズムと切れ味があり、常に聴き手を鼓舞します。魔界降臨という言葉が最も似合うバンドです。



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