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1. kamiko! ★★★ (2022-01-03 00:30:40)

ロシア産メランコリックドゥーム2021年作
恐らく現地で爆発的にコロナウイルスが拡大したことでリリースが1年延期になったんだろう。一昨年には今作に収録されている「The Memory Of Death」が
先行シングルとして発表されたが、それからのスパンが長く随分待たされた感がある。「The Memory Of Death」が結構良作だっただけに、今作は待望の1枚だった。
一昨年はコレではなく処女作のリメイク盤がリリースされ、なんで新作じゃないの?と憤りすら感じた時期はあったが、まあ、リメイク盤で1年間お茶を濁し
やっと昨秋この新作をゲットできた感じだ。前作から実に15年ぶりの新作、セカンドアルバムでシンプルに「Ⅱ」というタイトルである。
フューネラルドゥームに分類されるんだろうが、処女作は重さは控えめで、どちらかというとメランコリーと冷たい空気感を淡々と楽しむ作風だったが、
そのテイストは引き継がれている。楽曲の雰囲気自体は、前作の延長上で劇的な変化は無いが、彼らに求めるサウンドのハードルは余裕でクリアしている。
前作の延長上と感じさせる大きな理由としては、コードワークに特有の癖があり、一聴しただけでINTAGLIOだと判るカラーがあるからだろう。
無駄な音が無く無音との対比を楽しむ感触は、前作同様である。今作は楽曲構成ではなく、バンド編成に大きな変化があり、とても挑戦的だ。
フルート・チェロ・女声が大々的に導入され、元々そんなにヘヴィではなかったギターは更に歪みと残響が浅めになっている。そういう演奏様式だから
チェンバーロックとドゥームの融合といった印象が強く、クラシカル要素が若干増した感じだ。また、前作とリメイク版のモノクロジャケイメージから一転して
色彩豊かな幽玄なジャケに変貌したことで、メランコリーにファンタジーがプラスされた感じがかなりツボにハマる。とりあえずヘヴィさを求めるリスナーには全く不向き。
旋律がキャッチーだがコマーシャルなところが無い。重厚に音が重なることが少なく、必要最小限のハーモニーだが、単純なコード進行をしないので聴き応えがある。
雨の日に薄暗い部屋で、ちょっとメランコリーに浸りたい時に聴きたいサウンドだ。聴いてて全く疲れないのにしっかりドゥームしているところがイイ。オススメ。



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