それこそ肩眉を剃り落して山に篭りそうな勢いで(誤ったイメージ)ひたすらJOURNEY型メロディアスHRサウンドを求道し続ける「馬鹿よのう…まさにメロハー馬鹿」なギタリスト、ジョシュ・ラモス。RAMOS名義では『LIVING IN THE LIGHT』(’03年)以来、実に17年ぶりとなる、’20年発表の2ndソロ・アルバムがこちら。 トニー・ハーネル、ダニー・ヴォーン、エリック・マーティン、トニー・ミルズ…著名な実力派シンガー勢をゲストに迎えてレコーディングされている本作でも、当然JOURNEY路線のメロハー・サウンドが聴けるものとばかり思っていましたが、意表を突いて本編の幕開けを飾るのは、イントロからGが派手に弾きまくられ(そもそもSHRAPNELからデビューを飾った人なのでテクニックは十分)、70年代HRばりの豪快さを伴って繰り出される①。アルバム全体としても所謂クラシック・ロックからの影響を伺わせる渋めのサウンドが展開されており、まさしく表題『MY MANY SIDES』を地で行く仕上がりだったという。 思ってた方向性と多少異なるとはいえ、ブルージーなフィーリング漂わす楽曲には元XYZのテリー・ルイス、再結成SWEETのフロントマンとして知られるジョー・レッタらの粘っこい熱唱がハマっていますし、またそれらの楽曲においてもジョシュの類まれなるメロディ・センス、一音入魂のGプレイはしっかりと健在。特にGを雄弁に歌わせるインスト・ナンバー⑩にゃ聴き惚れずにはいられませんて。そしてアルバム終盤にはちゃんと「これぞジョシュ・ラモス」という爽快メロハー⑪が用意されているので、聴後感も良好です。 予想は裏切るが期待は裏切らない1枚。でも、出来れば次はメロハー物をヨロシク。