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Transient Chronicles

チリ産デス・ドゥーム2012年作
処女作の頃よりも演奏技術が洗練され、もちろん録音状態も向上し、全体的なクオリティがアップ。
過去作に比べてアヴァンギャルドな一面が落ち着いたように聴こえるのは、アングラ臭の抜けた音質向上のせいだろう。
決してアヴァンギャルドな面が薄れたワケではなく、リフ構成・リフそのものや、異空間を彩るパルス音など
結構手の込んだ内容となっている。濃厚な呪術的なドロドロ感は処女作に譲るが、この作品でも音痴な低音ヴォーカルが
呪いの言葉を呟くように歌い、どこか気持ち悪い感覚を引き起こす。
ボクは処女作のローファイ仕様の方が好みだが、コレはコレで、ハイクオリティな録音でズッシリ重いサウンドが魅力的だ。
キャッチーさがナイし、変拍子が多いのもあって、耳に馴染むには少々時間がかかるかも知れないが
繰り返し愛聴していると、徐々にその魅力に気付かされる、そんな作品だ。

kamiko! ★★★ (2020-05-24 18:26:47)


Arcane XIII

チリ産アヴァンギャルド・デスドゥーム1999年作
このバンドは5つの作品がある。一応全て聴いているが、気に入ってゲットしているのはこの処女作とTransient Chronicles(2013年作)だ。
3rd、4thも捨てがたい魅力はあるんだけど、このバンドの作品は、色々なジャンルの要素や前衛的なアプローチを取り入れようとするあまり
総じてまとまりに欠けるところが感じられる。そういうこともあり、最も好きな処女作、集大成的な後期作を所持している。
特にこの処女作は、これ以降の作品に比べてきちんとまとまっている感がありクオリティが相当高い。ドゥームマニアには是非ゲットして欲しい異端作品だ。
骸骨の魔女のようなジャケが非常に素晴らしいが、この音楽性を一言で言うならば、「呪術的」な感じだ。まずこのサウンドを聴けるかどうかは
相当癖のあるクリーンでありながらも低いトーンで呪詛のように歌い上げるヴォーカルを受け入れることができるか、にかかっていると思う。
この声を受け入れることができれば、この呪いのようなデスドゥームサウンドに引き込まれること間違いナシだ。
ギターは派手な演奏ではないが、ズルズルとミドルテンポで刻み、多彩なシンセや、魔性を帯びた女声コーラスなどで、独自の世界を創り上げている。
チリ産というレアさ、前衛的な作風、非常に濃い呪われそうなダークファンタジーの世界、コレに反応する人はマストな作品だ!、

kamiko! ★★★ (2020-05-20 01:32:20)