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...FILS DE LA HAINE (1985年)
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解説 - ...FILS DE LA HAINE
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2020-01-24 00:38:43)

ポール・ディアノが率いたイギリスのKILLERS、ベルギーのKILLER、スイスのKILLER等々、似た名前のバンドは世界中に数あれど、こちらはフランスはバルバドス出身のKILLERS。本国では確固たる人気バンドの地位を築き、現在までに20枚近いアルバムを発表して活動を継続する彼らの記念すべきデビュー作('85年発表)がこちら。ちなみに、後に国内盤仕様のCDが発売された時の邦題は『憎しみの果てに』でした。
当時「フランスのACCEPT」と評されたという彼らのゴリ押しパワー・メタル・サウンドの魅力は、禍々しいイントロを蹴破って、ウド・ダークシュナイダーばりの金属シャウトVo、鼓膜を切り裂く鋭利なGリフ、猪突猛進リズムとが土砂崩れ気味に畳み掛けて来る、まるで「VENOMが演奏する“FAST AS A SHARK”」的迫力を誇るOPナンバー①に集約。音質は酷いもんですが、改めて聴いてもこのカッコ良さにはテンションガン上がりですよ。
それでいて、力押し一辺倒の無骨さのみが武器のバンドかと言えばそんなことはなく。押せ押せの楽曲の中にも緩急や劇的な曲展開がしっかりと息衝いており、仏語詞による柔らかな語感と憂いを帯びたメロディが相俟って、時にサウンドがそこはかとない「優美さ」すら発散する辺りは流石フランス出身バンド。基本バラードながら激しくアップダウンを繰り広げる③、葬送行進曲をイントロに据えて前半は抑え気味に、後半で一気にはっちゃけるバンドのテーマ曲⑥、そして直線的に突っ走りながらも、Voが印象的なメロディを滑らかに歌い上げる名曲⑦等は、そうした彼らの真骨頂が刻まれた逸品ではないかと。
80年代フレンチ・メタル・シーンの充実ぶりを裏付けてくれる名盤の一つです。




2. 失恋船長 ★★★ (2021-02-04 08:37:53)

フランスを代表するパワー/スピードHM/HRバンドが1985年にリリースした記念すべき1st。その勢いはのっけから凄まじく、オープニングナンバーのインパクトに悶絶。これぞヘヴィメタルなアグレッションとスピードで全てをなぎ倒していきます。終始打ち鳴らされるド派手なリズムと刺激的なギター、ひしゃげた金切りヴォイスと、ヘヴィメタルと言う言葉でしか形容できない音楽性を披露。スピード狂を自負するマニアなら一度を聴いて欲しい魅力があります。
お手本はACCEPTでしょう。それだけにドラマ性もある、③のような曲を放り込んでも背伸びした印象を与えない音楽的な教養もプラスに働き、速さにと力強さに力点を置いた作風は、多くのヘヴィメタルバンドが共有するスタイルへと磨きをかけている。デビュー作ならではの直情的な感性の爆発、威勢のよい叩きつけるようなアグレッションサウンドは多くのマニアを引き付けるはずである。愚直なまでに打ち鳴らされる④、彼等のメタルアンセム⑤、この曲の歌い回しなんてウド・ダークシュナイダーそっくりですよね。
突っ走りながらも色んな顔を魅せる前半、そして後半は埋葬行進曲をイントロに導入したバンド名を冠した⑥、圧倒的なパワーと重厚な世界観に、このバンドの進みたい方向性が見えていきます。
パワー/スピードだけに埋没しない豊富なアイデアをバカバカしいほどの、パワー/スピードで突っ込んでくる突貫スタイル。若さ任せのようで芸の細かい面を魅せようとしているのも魅力ですね。
メタルのスピードに恋い焦がれ、この世界に足を踏み入れました。こういう音は生涯嫌いになることはないでしょう。



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