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Chasing the Storm (失恋船長)


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Chasing the Storm

1982年にエボニー主催のコンピ作Metal Maniaxeに参加したりとデビュー時にチャンスを得たがバンドは解散。その後、ギターのピート・ウェイドソンが新メンバーを集めバンド再興を模索、その流れでロード・ランナーと契約のチャンスを掴んだのが今作です。まさにレーベルの趣向に合致するように、パワフルかつスピーディーなメタルサウンドを披露。プレスラッシュ群の一つではあるのだが、彼らは完全に正統派スタイルからの派生であり、NWOBHMの影響も当然受けたスタイルとなるだろう。

音質も良くないし、今となっては古典メタルの一つとなるのだろうが、溢れんばかりのパワーと、メロディを蔑にしない破天荒とも言えるキレっぷり、その情緒に満ちたリードプレイの数々には、メタル魂を大いに奮い立たされるものだが、やはり音質が足を引っ張っていると言える。それでも暴れまくっているのに、メロディアスと感じさせる技量に、へヴィメタルかくあるべきと言いたくなる魅力が満載。熱いエナジーが迸るのにクールに感じさせる、この手のバンド&レーベルにありがちな、極端さが薄めの為に、バランス感覚に優れていると思うのだが、スピード重視の姿勢が貫かれまくっている、このバンドの立ち位置が正統性に重きを置いておる証拠でしょう。
適切なプロモーションを受けれたならば、我が国でも歓迎される要素も大だった歴史に名を残す隠れた一品。バンドは一枚でリリースを終えるのだが、バンド名をTaliönと変え、1989年に実質2枚目のアルバムをリリースしています。そちらも強烈なアグレッションサウンドを披露していますよ。

失恋船長 ★★★ (2020-01-05 22:00:30)