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1. 失恋船長 ★★★ (2018-11-08 14:08:22)

1994年に一旦バンドの歴史に幕が下りるも2000年を目前とした年末に再始動を果たす、国産HM/HRバンドの最高峰に位置するベテランバンドが結成35周年を祝うべくリリースされた最新作。
哀愁系の歌メロをバックに躍動感のあるハードサウンドが乗るというスタイルを、そのままに今作では再始動後のバンドに加入しなかったキーボードの永川敏郎が参加。遂にバンドは5人体制に戻る。
バッキングにおける専任キーボードの復帰はバンドサウンドの強化に貢献。間口の広いシェイカーサウンドの演出力を高めています

流石に西田昌史の衰えは隠せない。ある意味等身大の枯れた味わいが増えている。それでも老獪なテクニックを駆使しながら、切ないメロディを情感たっぷりで歌い上げるマーシー節は健在。叙情派ギタリスト石原慎一郎とのコンビネーションも相乗効果を生み出し、歌えるハードサウンドの先駆者としての金看板は守られている。

貪欲に新しい音楽性にも挑むバンド、大筋では変わらないがリズムプレイの鮮度や、細やかなアレンジの妙味など、けして昔のアイデアをこするだけではない現役感が最大の強みだろう。本来、彼らのようなバンドがJ-ROCKバンドとメタル系アーティストとの橋渡し的な役割を務め、メディアにも取り上げられたり、クソみたいなバンド崩れや、アイドルにラッパーが出る日本の名ばかりのロックフェスなどの、トリを務めてもらう位の存在感と可能性の高い音楽性を持ち合わせているのだが、そういった現実が訪れないのは残念だ。

近年も精力的なライブ活動を行うベテランバンド。年齢的な衰えは、そう遠くない未来に現役終了の日を迎える事となるだろう。西田昌史の声が健在の内に、もうひと花咲かせて欲しいと思わずにはいられませんね。



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