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ヘヴィメタル/ハードロック
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Konji
知る人ぞ知るクロアチアを拠点に活動する東欧産のHM/HRバンドによる1988年にリリースしたアルバム。時代性も反映させたのか、音楽性にも変化が訪れている。大衆性を補完するようにキーボードプレイヤーを正式に迎え入れ柔和な姿勢も打ち出し間口を広げてきた。また、シンガーもムラデン・ヴォイチッチ・ティファに変更とリニューアルを行っています。
元々大衆性を持ち合わせていたバンドだけに、ここで聴けるスタイルに大きな違和感はない。むしろ、癖を薄めワールドワイドな展開を視野に入れてきたと好意的に受け止めることが出来る。脆弱な環境の中、今のようにSNSで情報を共有出来ない中で、世相を読み動いてきたことは賞賛に値するとも言えるが、もう少し厳つい方がメタルバンドらしいと言えるので、そこは評価の分かれるところでしょう。
また、拝借具合も気になることろ、インストナンバー④などトルコ行進曲をモチーフにしたりしているが、元々があの曲だろうと思ったり、全般的なツメの甘さは否めないのだが、後期レインボーにも通ずる大衆路線に舵を切った今作にも聴かせる場面は多く、共産圏において西側の音楽が、どれほど影響を及ぼし社会に根付いたのかの一旦を垣間見た気がします。
失恋船長
★★★
(2022-05-20 23:38:17)
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Čarobnjaci
ボスニア・ヘルツェゴビナ(旧ユーゴスラヴィア)出身にて、現在は三浦知良が所属していたクロアチのザグレブを拠点に古くは70年代から活動するレジェンダリーなバンドが1983年にリリースした一枚。程良いポピュリズムとハードな響き、そこに哀愁のメロディを存分に投入、その嫌みのない洗練度はスコーピオンズ辺りにも通ずる魅力があり、出身地の違いで導き出される質感は違えど、ポップに寄り掛かりすぎないハードなサウンドの持つ普遍の響きは絶妙なバランス感覚を保持しており、疾走感を伴い暴れるだけではないメタルな魅力を存分に発揮しています。東欧的な音階と欧州由来の湿り気のある音楽は、お国柄のなせる技、語感も含めそこがダメな人には厳しいでしょうが、共産圏にありがちのマイナー臭がキツイB級メタルと切り捨てるいは惜しい魅力があり、メジャー級のポピュリズムの中で、キレのある東欧的なメロディが刃となり切れ込んでくる瞬間にグッときますね。
失恋船長
★★★
(2016-12-23 15:44:51)
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Vatra
古くは1977年からバンド活動を続ける旧ユーゴスラビア、現ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のバンドが1985年にリリースしたアルバム。東欧圏にありがちなマイナーメタルバンドとは違い、洗練された軽やかなメロディが癖の強い東欧風にまとめられており、そのバランス感覚が絶妙な個性を生みだし、追いつかない録音技術の不備を燃え滾るメタルスピリットで埋め尽くしています。とにかく演奏が熱い、そしてメジャー級のキャッチネスさも併せ持つ東欧産の翳りあるメロディが聴き手を魅了するでしょうね。勢いよく駆け抜ける①②の流れも聴きやすさを誘発、その即効性の高さは彼らの魅力を雄弁に物語り、英語詩で歌われる⑧などで聴けるポピュリズム溢れる音楽性を披露するなど間口の広さも手伝ってメジャー級のバンドと比肩出来るクオリティを保持しております。
共産圏の弱小流通のバンドに故に情報も得られないのですが、こういったキャリアがあるのに、余り知られていないバンドが東欧にはまだまだいるんだろうなぁと、思うと掘り下げずにはいられないのですが、言語がサッパリ分からないので手を出せないのがもどかしいですよ。
失恋船長
★★★
(2016-12-11 19:13:22)
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