1971年12月米国で、翌'72年2月母国英国でリリースとなったBADFINGER名義では3rd、IVEYS時代から通算して4thとなるオリジナルアルバムです。プロデュースは途中降板のGEOFF EMERICK、GEORGE HARRISON、相性の悪いTODD RUNDGRENとコロコロ変わって最終的に5.~7.・9.がGEORGE、1.~4.・8.・10.~12.がTODD、2010年再発盤における前作"No Dice"の1992年盤で初出の"I'll Be the One"を含む未発表曲4曲がGEOFFプロデュースでレコーディングされたとのこと。私にとって初BADFINGERが"Know One Knows"で次が"Day after Day"なので本作も早くに聴いてたかと思いきや、手許にあるのは1993年再発盤。つまり2010年再発盤収録の未発表曲のうち3曲は最近初めて聴いたものです。さて本作はそうした未発表曲やボートラ抜きにしても捨て曲なしの、むしろ全曲名曲と言える最高傑作。メンバーショットのジャケも最初はシンプルすぎるなと思いましたが今見るとカッコいいですね。BADFINGERの全盛期そして平和だった時代最後の作品ということでバンドの本質を知るには打って付けの作品です。私も彼らのCDは前作と本作に"Wish You Were Here"しか所有していません。この3作だけでお腹一杯になりますから、本音は根がアメリカン好きですから。
2010年再発盤トラック17.に収録のコンパクトなTOM EVANS作品。音像は同時期のT. REXで歌詞は翌年のLOGGINS AND MESSINA"Your Mama Don't Dance"に通じるものがありますが当時は未発表ですから偶然でしょう。全然"no good"じゃなくてこういう楽しい曲は問答無用で"いいね"ですよ。
2010年再発盤のトラック16.に収録されたもう一つのメンバー4人名義によるゴキゲンなパワーポップになります。"Name of the Game"をシャッフル調ハードポップに変えたみたいな使い回し感はありますが、歌詞はbawdy clawdyなんて卑俗なワードも入った全く別物。全体にコミカルな雰囲気でこれまた技術的に可能なら本編に入れて欲しかった1曲です。
2010年再発盤のトラック13.に収録されたメンバー4人のクレジットになるボーナストラック。ヴォーカルのハモりが微笑ましい、とても穏やかポップなラヴソングです。Number oneかonly oneかそれともone of themか、どう解釈するか或いは自身がどれになれるかはあなた次第。こういう雰囲気の良い曲が本編から落とされたのが不思議ですよ。
PETE HAM作のアコースティカルなミディアムスローナンバーです。"No Matter What"や"Baby Blue"に共通するピートらしい安心・安定のメロディに、歌詞は実直な愛と平和祈願の歌となっています。"争うな、傷付けるな、話せばわかる"といったところでしょうか、そういう"完璧な"問題解決がなかなか出来ないのが人間なのですが…。
美メロが印象に残るJOEY作のアコースティックな名曲。動画ではTOMそれにPETEまでアコギを弾いていて完全にフォークロックですね。イケメンのJOEYは絵になりますなぁ。歌詞も一見ただのラヴソングのようで実は?な感じです。UK盤と日本盤シングル"Day after Day"のB面曲-US盤では"Suitcase"-でした。