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Metamorphopsia (Usher-to-the-ETHER)


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Metamorphopsia

2016年発表の2nd。

これはクオリティとカルト性を高いレベルで両立させた良盤なのではないでしょうか。路線としては、RAGNAROKやTSJUDER辺りを思わせる、ブラストによる疾走を軸にした苛烈なリズムと、トレモロを交えたメロウなリフで聴かせる、北欧メロディック/ファストブラックに近い音。パートによってはVED BUENS ENDEやPARIAなどに近い変則アンサンブルや、効果音・ナレーションなどのSEを挿入し、不条理さを加味するような場面も見られますね。

ただ、前述したバンドと決定的に違うのは、主に疾走時に於けるリフの質感でしょうか。前述のバンドは切れ味の鋭さやメロディのメロウさで聴かせる感じなのに対し、こちらは融解してドロドロになった粘液質の毒性のある液体を、緩やかに流し込むかのような不気味なトレモロがメインなのが特徴。これにより、音や楽曲のクオリティは非常に高いにも関わらず、どこかマニアックさを感じさせる雰囲気があり、これが個人的なツボには大ヒット。敢えて粗探しをするなら、SEが挿入されるパートにおいて、バンドサウンドに食い気味の音で入っていることくらいでしょうか。興醒めする程ではないですが、多少気になります。

個人的にはかなりお勧めの作品。特に、PARIAやポーランドのFURIAなど、ブラックメタルを真芯で捉えつつも、逸脱した魅力の加味されているバンドが好みな方には大推薦。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2016-05-29 16:09:19)