ジャケットを飾る生瀬範義画伯の手による浜田麻里嬢のイラストが妙に怖い、'85年発表の4thアルバム。 ゲイリー・ムーアの“LOVE CAN MAKE A FOOL OF YOU”のリメイク曲“LOVE,LOVE,LOVE”と、SURVIVORの“MOMENT OF THE TRUTH”のカヴァーが収録されているので、舶来志向のHR/HMファン的にも取っ掛かり易い(?)本作。前者でゲイリーを彷彿とさせる濃厚な泣きのGを炸裂させリスナーから涙を搾り取るのは現B'zの松本孝弘で、彼氏はこの曲のみならず本編に全面参加し若さ溢れるGプレイを披露。また映画『ベストキッド』の主題歌としても知られる後者に関しては、恐らく日本でも大ヒットした同作の知名度を当て込んでの選曲なんでしょうね。個人的には好きな曲なので楽しませて頂きましたが。 オリジナル曲に関して言えばHM色は徐々に薄れ始めており、前作に比べると若干小粒な印象も否めないものの、浜田麻里嬢の曲作りの手腕は益々洗練されて来ているし、何より稀代のメロディ・メイカー、MAKE UPの松澤浩明が彼女と共に大半の楽曲を手掛けているのだから、低クオリティの作品が出来上がるわけがありません。特に、松本のGと河野陽吾のKeyが火花を散らすスリリングな疾走ナンバー“LOVE MAGIC”や、ローからハイへと一気に駆け上げる歌声が気持ちいい“FREE WAY"は名曲。 『MISTY LADY』と『BLUE REVOLUSION』という名盤2枚の間に挟まれてイマイチ影の薄い作品ですが、この質の高さは流石です。