HR/HM時代の区切りとなった'86年発表の6thアルバム。これ以降はレコーディング拠点を海外へと移し、脱HR/HMに拍車が掛かっていくので、個人的には(楽曲単位ではなく)アルバム単位で楽しめる浜田麻里作品はここら辺までかなぁ、と。 ギンギンのHRナンバー“COME AND GO”から壮大なバラード“PROMISE IN THE HYSTORY”まで、バラエティ豊かな楽曲が取り揃えられた本編は、前作においてハイレベルな領域にまで高められた「哀愁に満ちた歌モノHR路線」を継承しつつも、リバープが深めに掛けられた音作りやファッショナブルなKey等、サウンド全体は益々モダンにソフティケイト。 過密なレコーディング・スケジュールが祟って弾不足に陥っていたのか、ボリュームは30分台とコンパクトなのにカヴァー曲が多数収録されていたここ数作に対し、今回は全編がオリジナル曲で固められており、特にBLAZEの増田隆宣(Key)が作曲を手掛けているシャープな疾走ナンバー“TIME AGAIN”と、プログレ・ハード風味も感じられるドラマティックな“EARTH-BORN”というアルバム終盤の2連発は強力な存在感を放っています。