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1. ハルディン ★★ (2015-10-24 23:39:26)

スウェーデンはボロース出身トリオ編成のゴシック・ロックバンドの1stで、イタリアはフィレンツェを拠点とする新興レーベル『Wormhole Death』からのリリース(2015年)。元BESEECHのエリク・モラリン(Vo,G)とヨナス・ストロムベルグ(G)、元SKINEATERのヨルゲン・ストレム(B)らが中心となって2012年に結成され、彼らが在籍しているTHE MARY MAJOR(女性Voのヘヴィ・ロックバンドで、BESEECHから派生した分家バンド)が活動休止になった昨年あたりから本格的に始動し、満を持してのデビューとなる。

浅い歪みを利かせた簡素なカッティングやゆったり目のアルペジオを駆使するG、アトモスフェリックな暗がりをもたらすシンセを敷き詰めたミドル~スローテンポ主体のダークウェーヴ・ゴシックを展開。JOY DIVISIONやTHE SISTERS OF MERCY等のUKポストパンク勢からの影響が濃厚なサウンドが特徴でメタルならではのヘヴィな激しさは皆無に等しいが、北欧ならではの薄ら寒い寂寥感をまとった暗鬱ムードとメランコリックな倦怠感が一体化した心地よさはなかなかのもの。良くも悪くも曲調は似通っているためふり幅は広いとはいえないものの、躍動感のあるロックンロール調の5や微量にトラッド要素が覗く9、PINK FLOYD的なサイケ色を塗した大曲の4や11などある程度の工夫を凝らしている。

鬱なメロディを感傷的に歌い上げるエリクのVoはBESEECH時代から変わることなく健在で、微妙にキモい超低音ヴォイス(あの力んだような不自然さは和らいでいるので大分マシだが・・・w)はさて置き甘くマイルドな感触がいい感じに落ち込ませてくれる。ドラマーの不在ということでリズムトラックは打ち込みによるものだろうが、それゆえにリズム周りが若干味気なく感じるのが難点か。

バンドのFacebookや帯のレーベルによる紹介文にもある様にあくまでもゴシック・ロックであり、今時持て囃されるようなメタルの音ではないのだが今の時代では珍しいくらいにストレートなニューウェーヴ系ゴスの退廃的なサウンドがジワジワ染み入る良作。



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