こういう作風だと、Dani Filthの言語感覚の良さが凄く映えるんですよね。例えば一曲目後半「Burning in those angel eyes」からの一節は超邪悪なナーサリーライムみたいで、軽く口ずさむだけで何か洗脳されそうな気持ちよさがある(笑)。いつもの本家よりも歌詞のタッチは猥雑というかラフで、こういった言葉の響きの良さを凄く楽しみながら歌詞を書いてるんだろうな…という感じ。
今作は例えばインダストリアルな雰囲気の強い「Summer Arteries」や、エスニックで儀式的なムードを漂わせつつキャッチーな「Mother Kali」など、本家の作風と掛け離れているものほど魅力的に仕上がっているように思います。逆に「Living with the Fungus」など本家で演ってもおかしくない楽曲に関しては、正直本家の方がいいかな…とも思ったり。ともあれ今まで以上にDani様のヴォーカルの魅力が色濃く出た作品ですので、彼のファンならば必携のアルバムでしょう。