1st『VICTIM OF A SONG』がゴールドを、続く2nd『LOVE CRIMES』がプラチナムをそれぞれ獲得・・・と、本国カナダにおいては確固たる地位を確立するに至ったHARLEQUINが'82年に発表し、日本デビュー作ともなった3rdアルバム。 『愛は危険な夢遊歩行』なる、言葉の意味はよう分からんがインパクトは十分な邦題を付けられた本作は、再びタッグを組んだ売れっ子プロデューサー、ジャック・ダグラスとの共同作業も一層磐石なものとなり、もはや勝ち組バンドとしての風格さえ漂ってくるようです。キャッチーなメロディと心地良い疾走感とがブレンドされたOPナンバー①の素晴らしさなんて、余裕はあっても慢心のないバンドの充実っぷりを伝えてくれる名曲。 サビのリフレインが印象的な躍動感溢れる④⑦や、ハスキーなVoと哀愁振り撒くG、Keyが叙情性を増幅する⑩等、ハーモニーとメロディを増量することによりサウンドの洗練に磨きを掛ける一方で、インスト・パートが主役を張るプログレ/70年代HR的な構築美と重さを併せ持つ⑤のような楽曲も収録するなど、相変わらず、そのサウンドはポップでありながらしっかりとした背骨も通されています。硬軟のバランスが取れた曲作りの上手さには、「流石、カナディアン・メロディスHRの雄」と感心させられることしきり。 アメリカでの成功を果たせなかったことから、メンバー的にはイマイチ不満足な作品らしいですが、いえいえ。これの国内盤も是非再発して欲しかったなぁ。