前作『IN WAR AND PEACES』に引き続き、プロデューサーにヴァルデマー・ゾリヒタを起用してレコーディング、'13年に発表されたニュー・アルバム。 21世紀のSODOMの土台を支え続けたドラマー、ボビーが脱退し、その後任として元DESPAIRのマッカことマーカス・フライヴァルドが加入。この編成替えは確実に本編に影響を与えていますが、だからといって微塵もクオリティ低下を許さないのがSODOMたる所以です。 心持ちメロディをなぞる場面の増えたトム・エンジェルリッパーの激情シャウト、ヨーロッパ的ダークネスとドラマ性を湛えたバーネマンのGプレイ、そして前任者ほどの破壊力は持ち合わせていない代わりに、タイト且つ疾走感溢れる演奏で楽曲の「キャッチーさ」増強に貢献するマッカのDsと、今回の作風は(良い意味で)メロディアスな方向へと振られており、例えるなら、ここ数作のKREATORに通じるスラッシュ・サウンド・・・と言えば、どんな感じの音か伝わるでしょうか? SODOM以外の何者でもない凶暴さで蹂躙する②④⑥のカッコ良さも格別ですが、それにも増して魅力的なのは、猛々しくも劇的なOPナンバー①や、本編最高速度で畳み掛ける⑦、ロシア民謡“カチューシャ”のメロディがイントロにくっ付けられた⑧、一緒に叫びたくなる秀逸なサビメロを持つ⑨といった、攻撃性とメロディが絶妙なバランスで並び立つ楽曲群。 CDの帯には「賛否両論を呼ぶ作風」とありますが、いやいや。初心者にもSODOM入門編としてお薦め出来る、取っ付き易い魅力に溢れた1枚ではないかと思う次第。(なのに帯付き輸入盤のみのリリースってのは勿体無さ過ぎる)