NWOBHMの波には少々乗り遅れても、名曲“ROLL THE DICE”のスマッシュ・ヒットと華のあるルックスの威力で(?)、堂々メジャー・レーベルとの契約を勝ち取ったスコットランド・グラスゴー出身の5人組が、’83年に発表した1stアルバム。 「DEF LEPPARDフォロワー」という評判、それにプロデュースをQUEENのブライアン・メイが手掛けていることが先入観となり、「どうせ好みの音じゃねぇだろう」と入手を後回しにしていた作品なのですが、実際に聴いてみたら、そのカッコ良さに膝ガクガク。 いや、確かにDEF LEPPARDっぽさは本編の端々から感じられます。OPナンバー“IN AND OUT OF LOVE”の爽快なコーラス・ワークとか、哀メロが胸打つ“BROKEN HEART”の洗練具合とか、“ROCK ME”が醸し出すアリーナ・ロック的スケール感とか、高いヒット・ポテンシャルを感じさせる楽曲の数々は、それはそれでお気に入り。しかしそれ以上にグッと来るのが3曲目の“LOVE ON THE RUN”を皮切りとするにスリリングな疾走ナンバーの数々。特にハードネス、メロディの哀愁、ツインGのドラマ性、いずれの面においても本家DEF LEPPARDを凌駕せんとする気迫漲る“VICTIM OF THE NIGHT”と“HELL IS BEAUTIFUL”の2曲は、メタル者ガッツポーズ必至の逸品であると断言したい。逆にこういう荒々しさがあちらほど大衆受けしなかった要因なのかもしれませんが…。 個人的には、「DEF LEPPARDにあまりピンと来ない」という人に寧ろお薦めしたい1枚ですよ。