アルバムのハイライトを飾る曲。 曲全体を通してまるで死した伯爵夫人を弔うかの様な、悲しげなメロディが曲のあちこちに散りばめられて非常に綺麗な曲に仕上がっていると思う。個人的に「CRUELTY AND THE BEAST」で一番好きな激しい曲は「LUSTMORD AND WARGASM」だが、じっくり聞き込むならこの曲が一番だと思う。曲は3部構成になっているが、歌詞を良く見ていないとどこから切り替わってるのか分からないと思う。
COFのなか、一番好きなアルバムはDAMNATION AND A DAYですが、 一番の曲は BATHORY ARIAです。 正直ダニの声は確かに凄いが、別に他の人でもいいと思える曲が結構多い。ただ、この曲におけるダニの存在感は別格。ダニなしではこの曲があってはならないと言いたいほど、この曲におけるダニの表現力に感服しておりました。最初のソプラノの第一声でこの耽美な世界に沈み、酔い痴れる10分間。耽美にして邪悪、背徳なのに悲壮、BATHORY夫人の告白に耳を傾けよう。
残虐行為が発覚した後、エリザベスは臣下と違って火刑を免れたのですが、代わりに窓という窓を塗り固められた城の一室に死ぬまで幽閉されたという、彼女にとっては死刑より惨い最期を遂げたそうです。そのためか、物語が進むにつれて音はよりダークになっていき、聴いている側にも闇が広がらんばかり。最後の暗闇の中で老いて死んでいくエリザベスの語りはぞっとすると同時に、この上なく悲痛です。 また、ストーリーテラーに徹していたダニですが、第一章「Benighted Like Usher」において初めて「I」という概念を用いています。唐突に感じられるかもしれませんが、ストーリーテラーが物語の中に登場しエリザベスに寄り添うことで、彼女の孤独と後の破滅を一層強く覗わせるかのように思えます。