1981年に結成されたアメリカ合衆国ロサンゼルス出身のスラッシュメタルバンド。
Metallica、Megadeth、Anthraxらのバンドと共に「BIG 4(スラッシュメタル四天王)」の1つとされ、他の三者が音楽性を大きく変えた後もスラッシュ・メタルのスタンスにのっとった活動を続けている。これまでにリリースしたアルバムのうち4枚がRIAAよりゴールドに認定されている。グラミー賞には3回ノミネートされ、2007年には『Eyes of the Insane』が、2008年には『Final Six』が最優秀メタル・パフォーマンスに選ばれた。『オズフェスト』や『UNHOLY ALLIANCE TOUR』などの世界ツアーではヘッドライナーを務める。
歌詞やアルバムのジャケットに用いられる、死、自殺、精神異常、死体、サタニズム、連続殺人犯、戦争などといったテーマがしばしばアルバムの発売禁止及び延期、訴訟等をもたらし、非難を受けたこともある。80年代にはPMRCらの標的にもなった。
1983年、Metal Blade Recordsより1stアルバム『Show No Mercy』をリリースしてデビュー。翌年のEP『Haunting the Chapel』に収録された「Chemical Warfare」は、当時“世界最速”とすら言われ以後ライブの定番曲になった。ヨーロッパデビューも果たした。4万枚を超える1stアルバムのセールスと1985年の2ndアルバム『Hell Awaits』の成功により、バンドはRick Rubin率いるDef Jamよりオファーを受け移籍。「地獄」や「悪魔」などその後Slayerの代名詞となったテーマが使われ始めたのもこの頃からである。
1986年にリリースされたメジャーデビュー作でもある3rdアルバム『Reign in Blood』は英国ケラング!誌に"the heaviest album of all time by Kerrang!"と評された。現在に至るまでほぼ欠かさず演奏されている「Angel of Death」「Raining Blood」が収録されたこのアルバムは、「詞の内容が倫理的に問題が多い」(ナチスの虐殺者Josef Mengeleについて歌った「Angel of Death」が特に問題視された)という理由で、Columbia Recordsがアメリカ国内の配給を拒否し、Geffen Records(しかし議論の結果このレコード会社のリリース表にはこのアルバムの名は記載されていない)よりリリースされ、ラジオでのエアプレイがなかったにも関わらずビルボード誌のアルバム・チャートで最高50位台を記録する。続く1988年の4thアルバム『South of Heaven』ではあえて曲のテンポを下げ、メロディアスな歌唱を取り入れる実験的な内容が、ファンや評論家から様々な反響を呼んだが、商業的に成功し、ビルボードチャートで初登場57位(200位中)を記録、再びRIAAよりゴールドに認定された。以後バンドは、実験的な要素も盛り込みつつも、あくまでスラッシュメタルを基盤とした音楽性を貫いていくことになる。
1992年には、ドラムがDave LombardoからPaul Bostaphに交代。1997年の7thアルバム『Diabolus in Musica』ではチューニングを落としたり、ボーカルにエフェクト音をかけたり、当時メタルシーンを席巻していたニュー・メタルをかなり意識した曲作りに挑戦した。2006年にはDaveが復帰し、9thアルバム『Christ Illusion』をリリース(全米5位)。2007年にはこのアルバムから『Eyes of the Insane』が、2008年には『Final Six』が最優秀メタル・パフォーマンスに選ばれた。2011年、Jeff Hannemanが右腕を毒蜘蛛に噛まれ、壊死性筋膜炎を発症したため、バンドを離脱。
ツアーにはExodusで活動するGary Holtがサポートで参加することとなった。2013年2月、Dave Lombardoがツアーに参加しないことを表明。5月2日、復帰が待ち望まれていたJeffが肝不全により死去。これにより、Garyは事実上の正式メンバー扱いとなる。5月30日、2月に脱退したDaveの後任としてPaulが復帰。
1991年から2013年までの間でアメリカで490万枚以上のアルバムセールスを記録。世界総売り上げは推定2000万枚以上とされる。
Current members
Tom Araya – lead vocals, bass (1982–present)
Kerry King – guitar (1981–present)
Paul Bostaph – drums (1992–1996, 1997–2001, 2013–present)
Gary Holt – guitar (2011–present)