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DEPRESSION OF SURTR
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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2010-02-16 06:45:00)

2008年発表の企画盤。

07年発表のフル「A Journey to the Vyrdin」からの音源を中心に、スプリット提供曲や未発表曲を詰め込んだ、70分を超える大ボリュームの内容。店の歌い文句によると…このバンドはSILENCERやSORTSIND、辺りにも匹敵する、狂気じみた悲痛絶叫が聴ける鬱ブラックとして評価されている、とのことですが…

確かにこのヴォーカル、狂ってますねぇ。
ただ、SILENCERと比較すると、狂性だけでなく、「悔しさ」「無念さ」を噛み締めながら叫んでいるような、妙な人間臭さがあってそこが妙に生々しいんですよね…。

サウンドの方は、ヴォーカル以上に極悪非道。
一般に、鬱ブラックって悲しげなメロディで聴き手の気分を抑鬱する傾向にありますが、このバンドは金属が擦れ合うような不快感スレスレの強烈なノイズの掛かったリフで、乾いたメロディを弾くのが特徴。正直、これはかなり聴き手を選ぶと思うんですが、ヴォーカルの声とも相まって、ささくれだったような雰囲気だけは嫌というほど伝わってきます。

ただ、曲を色々な所から持ってきているので、ものによっては普通にメロいリフがあったり、ヴォーカルを耳に近くし、エフェクトを掛けて迫力を出した音像があったり、NORTTやI SHALT BECOMEクラスの湿った抑鬱的な空気感を醸し出したり、果ては女性による語りとVoの呻き、キーを絡めたリチュアル・アンビエント的なものもあったりして、表現方法への探究心は(主に負の方向に)旺盛。

…結成以来のリリース量も凄いし、やっぱりこういうバンドって「鬱なのに躁」な人たちが多いようです(笑)。しかし、これだけバラエティに富んだ音が、70分以上の長きに渡って収められてる作品とはいえ、健全な肉体に健全な精神が宿っている人にとっては拷問でしかないでしょう(笑)。
病んだ人や、病んだ文化に理解がある方にはお勧めです。



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