このバンドの場合、素晴らしいと思うのは、ペイガニズムの表現方法への貪欲さ。 他のペイガン/フォークメタル同様、民族楽器による叙情メロ、詠唱系男性Vo&祈祷師系女性Vo、トライバルでパーカッシブなリズムなど「お約束」な部分はしっかり押さえてるんですが、このバンドはそこに留まりません。いかにもペイガン思想の地下プリブラがやりそうな凍てついたトレモロと2ビート疾走、後期THE 3RD AND THE MORTALに通じる幽玄でコンテンポラリーな雰囲気のキーなども取り入れてるほか、部分的ですが、民族メロの素朴さが、シューゲイザー寄りブラックに通じる温かみをもたらしている所もあったり。
個人的には、「Memoirs」期のTHE 3RD AND THE MORTALに通じる音色を取り入れていながら、THE 3RD~が現代的な都市の風景を描いているのに対し、このバンドは土着的な世界観を表現しているのが面白いと思いましたね。相当このシーンを研究し、咀嚼して自分のものにしているんじゃないでしょうか。