1975年、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨークにて結成されたヘヴィメタル・バンド。
ギタリストMark Realeを唯一の固定メンバーとして長期に及ぶ活動期間の間に、非常に激しいメンバーチェンジを繰り返してきた。この為、ヴォーカリストの変化に準じて活動期を第1期(Guy Speranza)、第2期(Rhett Forrester)、第3期(Tony Moore)、第4期(Mike DiMeo)、第5期=Riot V(Todd Michael Hall)と区切って扱われることもある。
Steve Loebが主宰していた個人レーベルFire Signから1stアルバム『Rock City』をリリースしてデビュー。代表曲「Warrior」は「幻の叫び」という邦題でシングル・カットされ、日本でも早速人気を博すようになる。また、頭部のみアザラシでそれ以外が人間という謎のキャラクター「Johnny」が後々に至るまで良くも悪くもこのバンドのトレードマークとなった。モデルはバンドのローディであったMike"Mighty" Tiorであり、伊藤政則曰く「笑いがこぼれるほどそっくりだった」らしい。「成田闘争」にまつわるタイトルチューン(インスト)を収録した2ndアルバム『Narita』で、さらなる人気を獲得し、Monsters of Rockにも初出演。この頃の楽曲は、コード・ワークによるギター・リフ中心のアメリカン・ハードロックがメインではあるが、前述の「Warrior」「Narita」をはじめ、後にファンから「ライオット節」と呼ばれることになる、ツイン・リードギターによって奏でられる、アメリカのバンドらしからぬ独特の哀愁を帯びた叙情的なメロディが既に見られる。Elektra Recordsへ移籍して3rdアルバム『Fire Down Under』をリリースし、ツアーにつかれたSperanzaが脱退する頃には既にReale以外のオリジナルメンバーはいなくなっていた。
Rhett Forresterを迎えて第2期に入ったRiotは彼の歌唱スタイルに合った、ブルーズ色の強い楽曲が大半を占めた4thアルバム『Restless Breed』は叙情的なメロディは後退し、商業的に失敗してレーベルから契約を解消される。カナダのインディーズ・レーベルQuality Recordsから5thアルバム『Born in America』をリリースするも活動は停滞し、マネージメントとの理不尽な契約に縛られてしまうためバンドは偽装解散を行う。
1986年にSandy Slavinに再結成を持ち掛けられ、最終的にTony Mooreを迎えて再結成(第3期)。1988年に代表作となった6thアルバム『Thundersteel』をリリース。スラッシュメタルやパワーメタルなどの攻撃性と疾走感を前面に押し出したヘヴィメタルが人気を博しており、その影響からか、本作はこれ以前と比べて哀愁のメロディは保ちつつ、スピード感、攻撃性は全く異なるサウンドとなった。その衝撃的な変化とクオリティにより、日本のメタルファンの中で大きな地位を築く事になる。
1992年にビジネス面での対立によりTony MooreがMike DiMeoに交代して第4期に入る。これ以降の音楽性は、基本的には『Thundersteel』の延長線上のパワーメタルであるが、Mooreとは全くスタイルが違い、中音域寄りでややハスキー、かつ湿った声質のDiMeoのヴォーカルのため、またRealeの作曲パートナーがパワーメタルを得意としていたDon Van Stavernではなくなった事もあり、攻撃性は薄れた。更に1990年代前半頃から始まったグランジ/オルタナティヴの隆盛など、正統派ヘヴィメタルに対する逆風の吹き荒れる時代の趨勢も相俟って、アルバム自体の話題、セールス等でも全盛期を超えることはできなかった。
2008年、『Thundersteel』リリース20周年を記念して当時のメンバーが再集結するも、リマスター盤のリリースに留まる。Mooreの脱退と復帰を経て14thアルバム『Immortal Soul』をリリース、しかし、これがMark Reale在籍時最後の作品となった。2012年1月11日、Realeがクモ膜下出血を発症して昏睡状態となる。バンドは予定されていた公演をReale抜きの編成で行うが、Realeは回復することなく、長年患ってきたクローン病の合併症により1月25日に死去。遺族の意向もあり、Riot名義での活動に終止符が打たれた。Tony Mooreは既に活動する意欲を失っていたため脱退した。
バンドは残りのメンバーでの活動継続への道を模索し始めTodd Michael Hallが加入。そして、これまでバンドを牽引してきたRealeに敬意を表してRiot Vに名義変更して活動をしている。
Current members
Mike Flyntz – guitar (1989–2012, 2013–present)
Don Van Stavern – bass (1986–1990, 2008–2012, 2013–present)
Todd Michael Hall – lead vocals (2013–present)
Nick Lee – guitar (2014–present)
Frank Gilchriest – drums (2003–2007, 2014–present)