最近初めて聴いたのですが、女性ボーカルだとはしばらく気付かなかったです。 迫力ある少し DIO を感じさせる良いボーカルですね。音楽性や録音状態は 古臭さを感じさせはしますが、愛すべきB級に思えました。かのC級スラッシュ の宝庫・New Renaissance Records 所属のバンドとしては、音楽性・演奏力共に かなり抜きん出ているバンドであると思います。
THE RUNAWAYSのセッションKey奏者としてキャリアをスタートさせたアン・ボレイン(Vo)によりLAで結成されたHELLIONが、80年代にシングルやミニ・アルバムとして発表した音源を1枚に取りまとめた便利なコンピ盤。 ①はパンク系レーベルMYSTC RECORDSから、かのBITCHとのスプリット仕様で'82年にリリースされたシングル曲で、②~④は過ぐる年に英国の輸入盤チャートを賑わせたという'83年リリースのセルフ・タイトルのデビューEP収録曲。そしてJUDAS PRIESTの名曲“EXCITER”のカヴァーを含む⑥~⑨は'89年発表のEP『POSTCARDS FROM THE ASYLUM』収録曲・・・ってな構成。 大仰さやドラマ性が然程でもない初期の楽曲は、チープな音質と相俟って荒削りなマイナー・メタル臭が濃厚に漂ってくるものの、今ほどコブシの回っていない蓮っ葉なアン姐さんのスケ番チックな歌声は逆に新鮮で、何よりLAメタルの華やかさとは決定的な断裂を感じさせる、ダークで鈍色の光沢を放つ正統派HMサウンドはやはりカッコイイ。 ②は'85年当時、英KERRANG!!誌において月間ベスト・チューンにも選出された実績を持つHELLIONの代表曲だし、オドロオドロしくもドラマティックに盛り上がる⑦やスピーディなパワー・チューン⑨(この頃には既に女ロ二ー然とした貫禄が身についています)も、このバンドの何たるかがクッキリと焼き付けられた名曲。 見かけたら押さえておいて損はない作品ですよ。
ビッチ・ベッツとスピリット仕様でリリースされたシングル盤の①が収録されているのが、まずは目玉ですよね。向こうでのタイトルはNightmaresでしたが、今作ではNightmares in Daylightと改名して収録されています。EPに収録された②、③は1986年にNew Renaissanceから再発されたヴァージョンに収録されたヤツだし、④⑤はオリジナル盤に入ってはおらず海外仕様でリリースされた時に収録されたものだ。ややこしいのだが、アメリカ人にとっては重要なピースを埋めてくれた一枚なのかも知れないが、日本では逆に4曲入のオリジナル盤の方が激レアなので、そちらを聴きたいという願いの方が強いだろう。 そして今作最大の目玉は後半に収録された幻のEP『POSTCARDS FROM THE ASYLUM』が収録されていることに尽きる。ロニー・ジェイムズ・ディオから師事を受けただけの事はある性別を超えたパワフルヴォイス。昨今流行のパヤパヤ系でもなければ、発声法でどうにでもなるグロウルでもない、生身の身体を駆使するガチンコの歌声に身震いさせられます。