作を重ねる度にどんどん攻撃性と速さが減退して、ついにここまで来ました。厳密に言えば前作「FOLLOWING THE VOICE OF BLOOD」で上がりもしましたが、おそらく、このアルバムからGRAVELANDを聴いた人は、このバンドをブラックメタルバンドだと思わないです。 ①3分②24分③16分④7分…以上!!という比類なきスケールの超鈍足ペイガンメタル、見事ここに成就しております。ヴァイキングメタルが大海原を航海するメタルなら、これは大平原を行軍するメタル。まあおそらく、やってることはほぼ同じでしょう。多分中期BATHORYです…「BLOOD FIRE DEATH」しか知りませんが。
前作のようなドラマティックと言えるダイナミズムはなく、「THOUSAND SWORDS」のような叙情味が淡々と、丁寧に、怒りを抑え、衝動に走ることなく、独りよがりなテクニックを見せ付けることもなく(そんなもんこのバンドにないですけど)、だたひたすら地道に哀愁を越え、郷愁も越え、さらに大きな悲壮さに辿り着くようにと展開いたします。 明確な旋律の駆動に「いかにも」といった感じの雄々しいコーラスの導入と、楽曲構成は段違いのレベル、控えめに言っても総決算/集大成であり、私はこのバンド、「IN THE GLARE OF BURNING CHURCHES」から順番に聴いたんですけど、本気で何か、感極まるものがありました。無用な反復を繰り返しているようなところもあったバンドですけど、よくここまで楽曲を練り上げたもんです。このとんでもない構成にして、今までで最も冗長でない。驚くべきことだと思います。