Metal Bladeのブライアン・スライゲルが陣頭指揮に立ち制作されたフロリダのバンドによるデビュー作。ミステリアスでダークな色合いはキング・ダイアモンドからの影響も大、シンガーのナスティ・ロニーの歌い回しも、キング・ダイアモンドを意識したものだろう、そこにエピカルなムードも持ち込み濃密な世界観を演出、スラッシーなリフワークも飛び出すが、スピーディーなナンバーはなく、スピード命のマニアには喰いつきも悪いだろうが、ハードでエッジの効いたギターリフや、重心を落とし迫ってくるヘヴィグルーブを中心とした楽曲構成は、少々キャッチーさに欠けるのだが、US産の裏街道スタイルを愛するマニアにはたまらんものがあるでしょう。軽快に走るだけがメタルではない、こういう重苦しいスタイルにも需要はありますのでね。 濡れているのに湿らない光沢のある艶めかしいメタリックサウンド、もう少しスピードを上げれば初期型スラッシュバンドとして、太鼓判を押せるが、そこまでの勢いはない。でも破壊力は抜群だ。 なんだか上手く言えないが、スラッシュメタルの国で、キング・ダイアモンドとマニラロードの体が入れ替わり、口噛み酒飲んで(千鳥の相席食堂おもろかったなぁ)、なんだかんだで最後に君の名はって言ったら、こんな音楽になるのでしょう。 訳の分からないことを言って逃げましたが、折り目正しいスラッシュサウンドとエピックメタルの融合を果たした今作は、フロリダのメタルシーンに影響を及ぼしているというのは、けして大げさではないだろう。