97年発表の1stアルバム。 同郷のバンドTHE 3RD AND THE MORTAL(1st)、IN THE WOODS...(1st)に近い雰囲気がありますが、おそらく最もメタルぽいというか、男性と女性ボーカルを擁しているところなんかからもゴシック・メタルと呼ぶ人も多そうな音です。 THE 3RD AND THE MORTALのように妖精を幻視するほどの神秘はなく、初期IN THE WOODS...のように静寂と発狂が豪快に展開されるわけでもなく、比較的個性は薄いですが、ただやっぱりノルウェイの矜持というか、上記に挙げたバンド同様に森林から発せられる妖気みたいなものが強くあって、耽美的というより幻惑的、ゴシックを冠するほどには重くなくて軽い感じ・・・浮遊感がある。似たバンドを辿っていくとMANESを通ってBURZUMに辿り着くという、静的ブラックもしくはアンビエント・ブラックの雰囲気があります(MANESは良く知りませんが)。 で、女性ボーカルMonikaですけど、時折その異常な声域の広さとアラビア/インドぽい音階・歌唱法を垣間見せますが・・・エキセントリック/ヒステリック/イノセンスを握りつぶして飲み込んだ挙句、それを小悪魔と堕天使の二重人格を駆使して放出しているような「あの」ボーカルは聴けません。凄い普通に妖しく歌ってます。 2nd、3rdの後にどうぞ、という事でしょうか。