94年発表の記念すべき1stアルバム。 いやはや、まずジャケが最高過ぎ。女吸血鬼が女性を襲ってるわけですが、まー単純に言って、裸の女性二人が血塗れで抱き合ってますな。いやーエロい。何度見てもエロいです。しかし、金がなかったのか内ジャケは至ってシンプルで、独特のデカダンス世界はありません。 音の方は、次作以降繰り広げられる「シアトリカル・デカダンス・ドラマ」の雛型というか、複雑でメロディックな「ドラマティック・スラッシュ・メタル」と言えます。 音質が良くなくて、シンセの音色が薄っぺらく豪華とは言えない上、装飾以上には扱われていないので明確に分かりますがこのバンド、「ブラックメタル」と言われていても、端から「どれだけ速く演奏するか」という勝負に乗ってないんですよね。「暴虐」よりも「耽美」の意識が強い。このアルバムの時点は装飾塗れの暗黒絵巻ではないしスラッシュ的な聴き易さがあるという点で、案外「CRUELTY AND THE BEAST」が気に入っている方はすんなり受け入れられるかもしれません(それより後は聴いた事ありませんが)。 Daniのボーカルスタイルもデス/スラッシュに近く、超音波絶叫もなく、濁っているけど狂ってません。 繰り返しますが音質は悪いです。 この時点で既にギター、ベース等の表記はなく、皆さん「Satanic War Noise」や「Winter Evening Storms」等を担当しておられます(何じゃそりゃ)。