83年発表の全米大ヒット作品。 タイトルからしてHMっぽいが、それもそのはずミートローフのプロジューサーとして名高いJIM STEINMANがこの作品をプロジュースしてるんだから。彼の最大の特徴は長くて大仰な曲作り。その個性と彼女のハスキーでヒステリックなシャウトが見事に融合したのがこの作品の最大の売り、だ。タイトルトラックと全米で大ヒットした“Total Eclipse Of The Heart"などは若い今のファンでも十分に感動できるほどのHR然とした魅力に溢れている。 日本では「スクールウォーズ」が大ヒットしたので“Holding Out For A Hero"の方が圧倒的に有名だが、作品としては本作をお勧めしたい。
ミートローフと組んで『地獄のロック・ライダー』を大ヒットさせたプロデューサー、ジム・スタインマンの陣頭指揮を仰いで制作。女性シンガー初となる、英米両国のアルバム・チャートで№1に輝いた作品としてギネス認定を受ける他、その年の数多の音楽アワードを総なめにしてボニー・タイラーのブレイク作となった、’83年発表の2ndアルバム。 本編はいきなりC.C.R.の名曲(日産セレナのTVCMに使われていたことでお馴染み)“雨を見たかい”のカヴァーからスタートしますが、ピアノを全面的にフィーチュアしたゴージャス且つドラマティックなアレンジや、スケールの大きなサウンド・メイキングはまさにジム・スタインマン・ワールド。そしてこのクドイぐらい大仰な音世界には、それに負けないぐらいのクドさ(誉め言葉)で迎え撃つ、「女ミートローフ」ことタイラー姐さんのハスキー且つパワフルな歌声が実によく映える。これぞ理想的なコラボレーションですよ。 ドラマ『スクール・ウォーズ』主題歌として麻倉未稀にカヴァーされた名曲“HOLDING OUT FOR A HERO”が聴けるのは次作『秘めた想い』(’87年)なれど、アルバム・タイトルのカッコ良さといい、タイトに締まった音作りといい、それに何より収録曲の粒の揃い具合で断然本作の方に軍配が上がります。ハイライトはやはり4週連続で全米チャート第1位の座に居座った劇的なバラード“愛の翳り”(PVも珍味で最高)ということになるのでしょうが、流麗なピアノのイントロを皮切りに、息苦しい程の怒涛の盛り上がりを呈するジム・スタインマン節全開のアルバム表題曲②もそれに匹敵する名曲っぷり。 ボニー・タイラー入門盤といえば間違いなく本作で決まりでしょう…って、廃盤なの?