アルバムタイトルチューンの記念すべきジョージ剃刀カッティングリフがかっこいいメロディアスな『Breaking The Chains』。 これで虜になった若者は数え切れないのでは。(笑)最初はルドルフ似のギターリストと思いきや 抜群のギターリフ・ギターソロは圧巻。ソロまでもが剃刀速弾きである(笑) 名曲『Paris Is Burning』も素晴らしい。
結構ソフトな曲が多く、淡々としたアルバム。タイトルトラックは、当時のLAメタルバンドの典型的な6弦開放 ニュートラルコードのシンプルなリフながら、マイナースケールの物悲しい感じで、RATTやMOTLEY CRUEとはちょっと違う雰囲気をかもし出してる。そのあと、ソフトな曲が3曲続くが、ちょっとアップテンプで明るめのメロディーのI CAN'T SEE YOUでも、なぜか暗く聞こえる。DON DOKKENの声のせい? YOUNG GIRLSは、まさに典型的なLAメタルのリフで、MOTLEY CRUEのLOOKS THAT KILLや、RATTのTELL THE WORLDと同じに聞こえる。でも、この物悲しい感じはRATTやMOTLEYには無い。そして、ハイライトはラストのPARIS IS BURNING。このマイナースケールの多さが、アメリカでブレークしきれなかった原因かも。アルバムとしての完成度は、その後の3枚のほうが断然上だけど、音もちょっと薄っぺらいけど、魅力的なアルバムではある。
DOKKENがクラシック・ラインナップで復活して来日公演を行うという。喜びと共に、これが最後かもしれないな…との寂寥感が湧き上がりましたが、そういや90年代に再結成した時も、数年前にLOUD PARKでドンとジョージの共演が実現した時も「これで見納めかも」としんみりしてたことを思い出して、出掛かっていた涙がヒュッと引っ込みました(大袈裟)。 ともあれ、目出度いことに変わりはないので久々に彼らの作品聴き直したりしているのですが、やはりこの1stは後のアルバム群と比較するとやや趣きが異なりますね。地味なアートワークとか、ベース弾いてるのがピーター・バルテス(ACCEPT)だったりホアン・クルーシェ(RATT)だったりする基礎的な部分に加えて、そもそもドンのソロ・アルバムとして制作された経緯があるだけに、疾走曲とかも収録はされていても、飽くまで主役は「歌」。引き立て役に徹している風情のギターもそうした印象に拍車を掛けます。 でも、ドンの甘口なハイトーンがメロディの哀愁を際立たせる文句なしの名曲“BREAKING THE CHAINS”を始め、ノリノリの“LIVE TO ROCK”や、Gソロがダイヤの原石的輝きを放つ“YOUNG GIRLS”等、収録曲はこれはこれで十分に魅力的。またそうした本編中にあって、アグレッシブなHMナンバー“PARIS IS BURNING”だけは他と比べて毛色が若干異なるのですが、それもその筈。この曲はジョージ・リンチとミック・ブラウンがその昔在籍していたXCITER時代に書かれたものなのだとか。しかしDOKKENがレコード契約をゲットする決め手になった楽曲の一つというだけあって、これまたアルバムのハイライトを飾る名曲っぷり。影は薄めなれど、やっぱ良い作品ですよ、これ。